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冬眠における糖代謝:体温が駆動する可逆的制御

Glucose metabolism in hibernation: reversible regulation driven by body temperature
10.18958/7971-00001-0006377-00
李 明亮,根本知己,榎木亮介
Lee Ming-Liang1)2)/Tomomi Nemoto1)2)/Ryosuke Enoki1)2):自然科学研究機構生命創成探究センターバイオフォトニクス研究グループ1)/自然科学研究機構生理学研究所バイオフォトニクス研究部門2)

哺乳類の糖代謝は厳密に制御され,血糖値は狭い範囲に維持されている.冬眠期には,長期の摂食制限下でも脳など必須臓器のエネルギー需要を満たすために代謝が再編成される.この際,インスリン抵抗性と糖利用の低下が生じ,糖尿病様の状態となる.しかし,この代謝変化は冬眠終了後には可逆的に消失し,恒常性がすみやかに回復する.われわれは最近,マウスを用いた「冬眠様状態」誘導モデルにより,体温変動と糖代謝制御の密接な連関を発見した.本知見は,冬眠の代謝適応機構の解明につながるだけでなく,非冬眠動物であるヒトにおける体温―代謝連関に基づく病態理解および治療戦略の創出へつながることが期待される.

冬眠,グルコース代謝,QIH,2型糖尿病

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