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天然変性領域

てんねんへんせいりょういき

生理的条件下で特定の立体構造をとらず,揺らいだままであるタンパク質の領域のこと.柔軟な構造を活かして,多様な分子と結合したり,分子スイッチとして機能したりするなど,細胞内のシグナル伝達や転写調節といった多様な生命現象で重要な役割を担っている.(実験医学増刊4315より)

構造生命科学 AlphaFold時代にどう活かす?

生命機能を解く、変える、創るための技術と研究戦略

加藤英明,西増弘志/編

特定の立体構造をもたずに多様な形をとるペプチドであり,その柔軟性により,多くの異なるタンパク質と結合することを可能にする.(実験医学2024年8月号より)

ストレス応答の「場」を形成する核内非膜オルガネラ実験医学2024年8月号

生理的条件下にあるタンパク質であっても特定の立体構造をとらない領域.本文では孤立状態のタンパク質において立体構造をとらない領域の例をあげたが,他の分子と相互作用すると立体構造をとらなくなる場合もあるのでややこしい.例えばE3ユビキチンリガーゼMDM2のN末端付近には孤立状態では立体構造をとるが,p53と相互作用すると天然変性となる部分がある.(実験医学増刊4012より)

セントラルドグマの新常識

転写・翻訳の驚きの新機構と再定義されるDNA・RNA・タンパク質の世界

田口英樹,小林武彦,稲田利文/編

生理的な条件下において,本来的に特定の立体構造をとらないランダムなひも状のタンパク質領域のこと.配列の多くがIDRであるタンパク質を天然変性タンパク質とよぶ.真核生物のもつタンパク質において顕著にみられ,全タンパク質の約3割がIDRをもつといわれる.転写因子や翻訳因子に多くみられ,低複雑性ドメインのような,特定のアミノ酸に偏った領域がIDRとなりやすい.(実験医学2021年8月号より)

液-液相分離と選択的オートファジー実験医学2021年8月号

解説は発行当時の掲載内容に基づくものです

本コンテンツは,2018年まで更新されていた同名コンテンツを元に,新規追加・再編集したものです

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