がんは,すべての年齢において発生するが,年齢を重ねるとともに発生率は高くなる.それは,上皮細胞のもとである上皮幹細胞における変異の蓄積を発端として,がんが発生するためである.一方で,幹細胞は年齢とともに老化し増殖能が低下するため,発がんに拮抗すると考えられている.実際に,肺がん発生の頻度は,ある一定の年齢を超えると下がることが疫学的に報告されている.老化した幹細胞では,発がんの段階において一体何が起きているのであろうか.
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DOI:10.18958/7737-00004-0006021-00