めざせ実験の達人-トラブル回避のコツと最新キットで極める!
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めざせタンパク質定量と染色の達人
はじめに

タンパク質定量の概要とポイント

実験手法の概要

吸光度(通常280 nm)を測定して見積もる方法や,発色試薬を用いた定量法,電気泳動やドットブロットしたサンプルをタンパク質染色してその濃さから見積もる方法などがあるが,一般的には吸光度を測定する方法と発色試薬を用いた定量法が主流である.

実験手法の流れ

■ 280 nmの吸光度を測定して見積もる場合

  1. 1 cmの光路長セル(紫外域の測定に使用可能な石英セルなど)にサンプル溶液を加える
  2. 吸光度(280 nm)を測定する
  3. 吸光度1のとき約1 mg/mLとして濃度を見積もる
  4. 単一のタンパク質溶液の場合は次の式が適用できる
    タンパク質のモル濃度 = 吸光度 ÷(タンパク質のチロシン残基数 × 1,390 + トリプトファン残基数 × 5,800)

■ 一般的な発色試薬による定量法の場合

  1. 標準タンパク質(スタンダード)を用いた検量線用スタンダード溶液を調製
  2. サンプル溶液を調製(倍々希釈などを行う)
  3. 検量線用スタンダード溶液とサンプル溶液に発色試薬を加える
  4. 一定時間後に指定の波長における吸光度を測定する
  5. 検量線を作成し,その検量線からサンプル溶液のタンパク質濃度を算出する

ココがポイント

タンパク質定量には,バッファー中の共存物による干渉で測定が困難になるトラブルが最も多いようです.具体的にどのような化合物が干渉し,その許容濃度はどれくらいかという情報は使用試薬のマニュアルやカタログに詳しく記載されているので役立ちます.

またタンパク質定量試薬には新しく便利なものが登場していますので,既存法で行き詰まった時には試してみるのも一案です.

なおタンパク質の定量実験では,ピペット操作により値が大きく変わってしまうこともあるので,ある程度の練習が必要なことは覚悟しましょう.

最近は少量で測定できる専用の測定装置が廉価になってきていますので,ルーチンにタンパク質定量を行うラボでは導入をオススメできます.

定量と染色のQ&A一覧へQ1 280 nm吸光度測定って?

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プロフィール

森山先生
森山 達哉(Tatsuya Moriyama)
京都大学農学部食品工学科卒.同大学院農学研究科修士課程,博士課程ののち,京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師,2008年准教授.その間,1996年米国スタンフォード大学招聘研究員(1年間).毎日多くの元気な学生たちと一緒に,食品成分の生理機能性(特に脂質代謝への影響)と安全性(特にアレルゲン性)に関する研究を行っている.基礎研究だけでなく,社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています.
<著作>

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