生活習慣病や癌などの各種疾患に共通する基盤病態として「慢性炎症」が注目されている.慢性炎症では,微生物感染に代表される急性炎症と異なり,長期にわたるストレス応答のために実質細胞と多様な間質細胞の相互作用が遷延化し,適応の破綻により「組織リモデリング」を生じて臓器の機能不全をもたらす.最近では,ストレスを受けた実質細胞より放出される内因性リガンドとマクロファージなどの間質細胞に発現する病原体センサーの相互作用により誘導される慢性炎症として「自然炎症」の概念も提唱されている.慢性炎症の分子機構の解明は関連疾患の発症・進展の理解と新しい診断・治療戦略の開発の手掛かりになると考えられる.
癌や生活習慣病のほか,神経変性疾患や自己免疫疾患に共通の基盤病態として注目の慢性炎症.そのメディエーター分子や各種免疫細胞の機能から,内因性リガンドによる自然炎症の概念まで,詳しくご紹介いただきます.
本コンテンツは2010年7月号「慢性炎症の分子プロセス」を編集いただいた小川佳宏先生の特集への意気込みや皆様へのメッセージを収録し配信しています.
Q.今,慢性炎症に注目が集まるのはなぜでしょうか?Q.いろいろな疾患に慢性炎症はどのように関わっているのでしょうか?3分36秒 2010年6月8日公開
Q.内分泌代謝疾患の研究をしていて,慢性炎症に取り組んだ理由を教えてください.Q.今後,慢性炎症の研究はどのように広がっていくのでしょうか?5分0秒 2010年6月8日公開
Q.医師を続けながら,研究にも取り組むことになった「きっかけ」は何でしょうか?Q.研究をやっていてよかったと思った瞬間を教えてください.7分59秒 2010年6月8日公開
Q.臨床医と研究者,両立の難しさとアドバンテージを教えてください.Q.動画を見ている若手研究者へメッセージをお願いします.3分49秒 2010年6月8日公開
本号特集「疾患発症のニッチに潜む慢性炎症の分子プロセス」の Supplemental DataをオンラインコンテンツとしてPodcast配信しています.以下よりダウンロードして誌面と併せてご覧ください.
2010年6月22日公開本誌1720ページ,図2関連動画Ito, A. et al.:J. Biol. Chem., 283:35715-35723, 2008
リアルタイム細胞動体測定装置を用いて,脂肪組織培養上清に対する細胞遊走を可視化したところ,CCR2を強制発現させたヒトTリンパ球系Jurkat細胞は,対照メディウムに対して全く遊走能を示さなかった.
CCR2を強制発現させたヒトTリンパ球系Jurkat細胞は,遺伝性肥満ob/obマウスの脂肪組織培養上清に対して強い走化性を示した.この走化性はCCR2拮抗剤の添加により著明に抑制され,また,CCR2を発現しないnative Jurkat細胞では走化性を認めなかった.
2010年6月24日公開本誌1689ページ,図1関連動画Nishimura, S. et al.:J. Clin. Invest., 118:710-721, 2008
肥満マウス内臓脂肪における血流。血管壁へ付着した白血球の血流速度の低下
肥満マウス内臓脂肪血管における白血球のローリング
肥満マウス内臓脂肪血管における白血球のfirm adhesion
やせマウスにおける血流(肥満内臓脂肪における内皮細胞白血球相互作用の活性化1と比較)
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