栄養素であり,かつ生体膜脂質や脂肪滴の構成成分でもある脂肪酸は,細胞の生命活動において必須である.脂肪酸には多くの種類があり,飽和と不飽和,さらに不飽和度の高い多価不飽和脂肪酸などに大別される.一般的に動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く,一方で植物油や魚油などには不飽和脂肪酸が多く含まれている.また,多価不飽和脂肪酸のなかでも分子内の二重結合の位置によりn-6系,n-3系脂肪酸が存在しており,それらは哺乳動物の体内において相互変換されることはなく,代謝的に質の異なる脂肪酸である.最近,このような脂肪酸の質の違いが,炎症を基盤病態とするさまざまな疾患において重要であること,さらに生体内には脂肪酸の質の違いを認識して応答する機構が存在することが次第に明らかになってきた.そこで,本特集では,このような脂肪酸の質の違いがかかわるバイオロジーについて,とくに炎症・代謝性疾患との関連性を含め,最新の分子レベルでの研究についてご紹介したい.
その鎖長・二重結合の数や位置により多くのバラエティが存在する脂肪酸.生体内の脂肪酸バランスが細胞内ストレスの原因となり,慢性炎症,ひいては代謝性疾患などの病態へと進展する分子機構を紹介します.
本コンテンツでは,2012年2月号特集「炎症・代謝性疾患に潜む 脂質メタボリズム」を編集いただいた有田 誠先生が考える,脂肪酸の“質”に着目した研究の意義と読者へのメッセージを収録し,配信しています.
本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.
お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.
本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.
※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.