超人気!実践型実習の熱いレクチャーが書籍化.病歴・フィジカルの基本から画像・検査選択の考え方,医師として成長し続けるための極意までカリスマ指導医が燃えるパッションで君を導く!臨床で活きるパールも満載.
これは熱い本である.徳田安春先生とその信奉者である若手医師が渾身の力を込めて執筆し,日本の医学部教育に挑戦状を叩きつけている.“闘魂外来”とは医学生に実践的な臨床能力を身につけてもらうために,指導医の監督のもと医学生が主体となって診療を行う臨床実習である.
“闘魂外来”は全国で展開されている.私も2回ほど参加させていただいたことがある.医学生はまだ診断がついていない患者に対して,ファーストタッチで診療を行わなければならない.「どんな患者が来院するのだろう」と,参加学生たちはドキドキしながら待機していた.
燃える闘魂 アントニオ猪木は,引退スピーチで「この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ危ぶめば道はなし踏み出せばそのひと足が道となり,そのひと足が道となる迷わず行けよ行けばわかるさ」と語った.
医学部5年生と6年生での医学知識や鑑別診断の導き方はそれほど変わらないように思う.しかし,医学部6年生と1年目研修医を比べると,診療能力の差は歴然としている.本物の症例を経験することが医師の成長に欠かせないことは明白である.
本書では診療前の心構え,病歴や身体所見のとり方,臨床推論,検査の解釈がわかりやすく述べられている.エコー検査による診断や心肺蘇生,多発外傷に対する対応も解説されている.研修医には必須の知識だ.そして,ケースプレゼンテーション,患者・家族への説明,コミュニケーションという日常診療に欠かせない技術も勉強できる.さらに論文検索や勉強のしかた,研修病院の選び方まで解説は広がる.これで臨床というリングに立つための準備が整う.これは医学生や研修医への闘魂注入ビンタなのだ.「カッコいい」しびれる.
何を隠そう,私も徳田先生の信奉者なのである.2年前から徳田安春先生と,雑誌の編集会議や若手医師向けのセミナーでお会いすることが多くなった.いつも驚かされるのは,執筆が非常に早くて礼儀正しく謙虚であることだ.William Osler先生もこんな医師だったのだろうと彷彿させる.
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』にこんな言葉がでてくる.「肝心なことは,世間の眼よりも何よりも,君自身がまず,人間の立派さがどこにあるか,それを本当に自分の君の魂で知ることだ.そうして心底から,立派な人間になりたいという気持を起こすことだ」.
この本を熟読して,日本の将来を背負う立派な医師になってほしい.気になることがある.本書に出てくる覆面レスラーならぬ,覆面指導医ζ(ゼータ)は一体誰なのだ?
山中克郎(諏訪中央病院 総合内科・院長補佐)『レジデントノート2018年5月号』より転載
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