「救急外来ドリル」掲載・2026年2月18日公開
痙攣している患者さんを診るとどうしても頭蓋内疾患によるものを考え,ジアゼパム(セルシン®,ホリゾン®),やロラゼパム(ロラピタ®)を使用したくなりますが,原因は多岐にわたります.そのなかでも,convulsive syncopeは常に意識して対応するようにしましょう.
convulsive syncopeとは,不整脈など心由来の脳血流低下に伴う痙攣です1).判断が難しい場合もありますが,一般的には左右対称性の痙攣で,閉眼していることが多いでしょう.それに対して,てんかんなど頭蓋内疾患による痙攣の場合には,片側からはじまる痙攣で,痙攣時は開眼しています.
痙攣患者を診たら,まずは脈を触知し,意識以外のバイタルサインがおおむね安定していることを確認できれば,前述の薬を使用しすみやかに痙攣を止めましょう.血圧が低いなど,脳血流が低下しているサインを認める場合には,薬剤投与の前に,臥位にし下肢を挙上する,細胞外液の点滴を行うなど,血圧を上げるための処置を施すことが必要です.
てんかんと病名がついていても,10%程度は不整脈に伴う痙攣が含まれているといわれます.てんかんという既往があったとしても,本当にてんかんなのか,convulsive syncopeではないかと,その都度確認する癖をつけましょう.痙攣の鑑別には常に失神をあげ対応するのです2).
引用文献
1)Passman R, et al:Clinical spectrum and prevalence of neurologic events provoked by tilt table testing. Arch Intern Med, 163:1945-1948, 2003(PMID:12963568)
2)Gavvala JR & Schuele SU:New-Onset Seizure in Adults and Adolescents:A Review. JAMA, 316:2657-2668, 2016(PMID:28027373)