「救急外来ドリル」掲載・2026年6月24日公開
腹痛など痛みが強い場合には,原因検索も重要ですが,除痛も大切です.最近はアセトアミノフェンの静注薬(アセリオ®️)を使用することも多いと思います.急性腹症診療ガイドライン2025は,「原因にかかわらず診断前の早期の鎮痛薬使用を推奨する.痛みの強さによらずアセトアミノフェン1,000mg静脈投与が推奨される.」と記載されています1).体型が小柄な方の場合には,15mg/kgで用量調節して投与すればよいでしょう.
重要な点は,きちんと効果判定を行い,その後のアクションに鎮痛薬の効果を反映させることです.
鎮痛薬の効果が得られたら,それでOKではなく,苦痛を取り除けたがゆえに可能となった詳細な病歴や身体所見を確認し,原因検索に努めましょう.
アセリオ®️は15分かけて投与しますが,投与後も効果が現れない場合には,鎮痛薬を追加するのではなく,外科的介入が必要な疾患ではないかと精査を進める必要があります.絞扼性腸閉塞,消化管穿孔など,例え画像で自信がもてなくても,外科医など上級医にコンサルトし対応するようにしましょう.電子カルテの前でコロコロと画像を前にいつまでも悩んでいてはいけません2).
引用文献
1)「急性腹症診療ガイドライン2025」(急性腹症診療ガイドライン2025 改訂出版委員会/編)医学書院,2025
2)坂本壮.腹痛と鎮痛薬.Medicina,56:1620-1623,2019