総合診療はおもしろい!

日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会 第27回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー
五嶋実波(旧姓 山本)(富山大学医学部医学科5年)

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2017年からはじまる専門医制度改革の柱の1つである,基本診療領域専門医への「総合診療専門医」の創設へ向けて,総合診療専門医の医師像に関するイメージの共有と専門研修カリキュラムの整備が進んでいます.日本プライマリ・ケア連合学会 学生・研修医部会では,全国の学生・研修医に家庭医療・総合診療に関する情報の共有や仲間を見つける場をつくりたいと考えており,地方単位で小規模な勉強会を定期的に開催する支部活動と,2泊3日間でみっちり学ぶ年に1回の「学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー(以下「夏セミ」)」を開催しています.

第27回目となる今年は,2015年8月1〜3日に静岡県の湯河原にて,「〜繋ぐ,紡ぐ,続く,継ぐ〜ブルーシート(4糸)での出会いを」というテーマで開催しました.このテーマには,全国の学生・研修医が家庭医療・総合診療を通して繋がり,自分の想いや夢を紡ぎ,明日からの学びへと続き未来に継ぐきっかけとなる場にしたい,という運営スタッフの想いが込められています.

参加者・講師の一体感を感じられる瞬間です(1日目懇親会にて).

今年の企画は,① 「プライマリ・ケアを探る旅」と題したプライマリ・ケアの総論を学ぶ講演,② 38のテーマから5つを選択する参加型のセッション,③ 第一線で活躍されている家庭医・総合診療医と熱く語る「Meet the Experts」,④ 「2025年問題」の理解を深め参加者同士で意見を共有し合うことを目的とした企画,⑤ 家庭医療・総合診療の後期研修プログラムが多数出展し具体的に自らのキャリアを考える「ポスターセッション」,⑥ 学びの定着度を高め自らの興味を再確認するための「振り返り企画」,⑦ 参加者や講師と熱く語り尽くす懇親会,など盛りたくさんでした.医学生以外の医療系学生や初期研修医の参加者の増加に伴い,多職種への理解を深める場や初期研修医同士で日頃の悩みを話せる場も積極的に企画しました.3日間で家庭医療・総合診療のエッセンスを感じ,地方単位の勉強会では得られない情報を得ることで,将来像をより明確にイメージしながら学べる内容となっています.

今年も約220名の参加者と200名を超える講師が集まりました.参加するたびに,その時の自分にとって必要な気づきと出会いを与えてくれるのが夏セミです.ここで生まれた仲間との繋がりは,必ずや自分の将来や明日の医療を変えていく強い原動力となると確信しています.

第28回は2016年8月上旬に開催予定です.また多くの参加者とともに大いに学び,大いに語り合うことができれば幸いです.

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