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2006年5-6月号
> 分子標的薬開発への挑戦
最新号
(4月20日発行)
2006年5-6月号
(Vol.6 No.3)
定価 2,625円(税込)
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分子標的薬開発への挑戦
第2回 有力な分子標的医薬(2)
・アンジオテンシン2受容体拮抗薬〜カンデサルタンシレキセチルの研究開発
仲 建彦
1970年代後半,世界に先駆けて武田薬品で見出された非ペプチド型アンジオテンシンII受容体拮抗薬は,30年の歳月を経て,21世紀の世界で重要なブロックバスターとなり,さらに進化し続けている.単なる降圧薬を超え,心腎脳の循環器系疾患とその合併症,また生活習慣病やメタボリックシンドロームの治療・予防に重要な医薬品の1つとして評価を得つつある.本稿では2005年度,日本で売上高トップとなったカンデサルタンシレキセチルの研究開発経緯を解説する.
・生活習慣病の分子標的薬(PPARγ,HMG-CoA還元酵素阻害薬)
山内敏正,門脇 孝
PPARγを分子標的とするチアゾリジン誘導体は,脂肪細胞分化誘導と肥大化細胞のアポトーシスを介して脂肪細胞を小型化させ,そしてインスリン抵抗性惹起性のアディポカインを低下させる.さらに抗糖尿病・抗動脈硬化アディポカインであるアディポネクチンなどを増加させ,インスリン抵抗性や動脈硬化を改善させる.チアゾリジン誘導体は動脈硬化巣に対する直接作用として,抗炎症作用やコレステロール引き抜き作用も有することが示されている.さらに2005年に実際にヒトにおいて心血管疾患のイベントを低下させることが,大規模臨床試験であるPROactiveで示された.HMG-CoA還元酵素を分子標的とするスタチンは,その酵素活性の阻害により,コレステロールの生合成抑制のみならず,ゲラニルゲラニル化におけるGGPP供給を阻止することによりRhoなどの活性化を阻害し,pleiotropic effectを発揮して,心血管疾患の一次予防,二次予防に有効であると考えられている.さらに2005年に日本の常用量の脂質低下療法で心血管系疾患の一次予防に有用であることが,大規模臨床試験であるMEGAstudyで示された.
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