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tRNAのm7G修飾異常による精子形成の破綻

Impaired spermatogenesis caused by failure of tRNA m7G modification
齋藤都暁,金子隼也
Kuniaki Saito1)2)/Shunya Kaneko1)2):情報・システム研究機構国立遺伝学研究所遺伝メカニズム研究系1)/総合研究大学院大学先端学術院2)
10.18958/7757-00001-0006053-00

RNA修飾酵素METTL1(Methyltransferase-like 1)は酵母からヒトまで広く保存された酵素である.最近われわれはショウジョウバエMettl1が一部のtRNAのm7G修飾を誘導することを明らかにした.また,Mettl1欠損ハエではm7G修飾されなくなったtRNAの量が減少することを見出した.Mettl1は全組織で発現しtRNAのm7G修飾も同程度に検出される一方で,ノックアウトハエの主たる異常は精子形成に限定されていた.以上の結果は,m7G修飾異常によるtRNA量の減少は組織特異的に起こることを示しており,本稿ではこの発見の意義について議論したい.

tRNA,ショウジョウバエ,Mettl1,m7G修飾,精子形成

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