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tRNAの修飾欠損による翻訳異常と疾患,治療への展望

tRNA modopathies: mechanisms and hopes for the future
中條岳志
Takeshi Chujo:熊本大学大学院生命科学研究部(医)分子生理学講座
10.18958/7757-00001-0006054-00

ヒトのtRNA分子は,転写後にメチル化や硫黄化,水素付加など46種類の修飾を受ける.tRNA修飾は,tRNAによるmRNAコドンの精確な解読やtRNAの構造安定化を助けることでタンパク質合成を支える.tRNA修飾を担う酵素等のうち40種類ほどで遺伝性の疾患変異が知られる.これらの疾患では,同じ変異が全身にあるにもかかわらず特定の組織で問題が表出するという特徴をもつ.本稿では,tRNA修飾を欠損することで発症する「tRNA修飾病」について,最新の知見と治療に向けた展望を紹介したい.

tRNA修飾,タンパク質合成,遺伝性疾患,神経疾患,ミトコンドリア病

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