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がん関連相分離の物理学:光操作で迫る凝縮体の形成と機能

Physics of cancer-related phase separation: Probing condensate formation and function using optogenetics
赤松舞里乃,下林俊典
Marino Akamatsu/Shunsuke F. Shimobayashi:京都大学iPS細胞研究所(CiRA)未来生命科学開拓部門
10.18958/7783-00001-0006108-00

細胞内相分離研究は,非膜オルガネラの形成原理から生理機能,疾患機構の解明や創薬応用に至るまで急速に進展し,生命科学の新たな潮流となっている.本稿では,相分離現象の物理的側面に焦点を当て,分野の最新動向を概観するとともに,ソフトマター物理学に基づく理論と光操作技術を駆使して凝縮体形成のしくみを明らかにしたわれわれの研究を紹介する.さらに,細胞内凝縮体の物性評価,転写制御やがんとの関連を示し,時空間的に制御された相分離現象の意義と創薬への展望を論じる.

非膜オルガネラ,細胞内相転移,ソフトマター物理学,オプトジェネティクス

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