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Aurora Bキナーゼの集合不全から読み解くがんの細胞病態

A new perspective on cancer cell pathology: Lessons from Aurora B assembly at the centromere
松井紗帆,野澤竜介
Saho Matsui/Ryu-Suke Nozawa:公益財団法人がん研究会がん研究所実験病理部
10.18958/7783-00001-0006111-00

染色体分配は,染色体を娘細胞に均等に分配し,遺伝情報の正確な維持・継承を保証する,細胞の基本機能である.染色体分配の要となるのが,微小管と動原体との正確な結合であり,これは分裂期にセントロメアに集合するAurora Bキナーゼによって制御されている.われわれはこれまでに,さまざまながん細胞においてAurora Bの機能が低下していることを見出してきたが,その機能不全がなぜ引き起こされるのかは,いまだに明らかになっていない.そこで本稿では,がん細胞におけるAurora Bの機能制御の理解にむけて,特にそのセントロメアへの集合動態に焦点を当て,最近の研究動向を紹介する.

セントロメア,Aurora B,RNA,染色体不安定性

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