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【スマホで読める実験医学】がんと非膜オルガネラの異常
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真核生物の細胞内では,生体高分子が液-液相分離(liquid-liquid phase separation:LLPS)によって凝集し,膜をもたないオルガネラ(非膜オルガネラ,membrane-less organelles:MLO)を形成する.代表的なMLOには,核小体,パラスペックル,ストレス顆粒(stress granule:SG)などがあり,転写制御やRNAスプライシング,DNA修復などの重要な役割を担っている.正常細胞ではMLOの形成・解体が精密に制御されるが,異常なMLO形成は悪性腫瘍の発生・進行に関与することが判明している.さらに,がん細胞は薬剤を含むさまざまなストレスへの耐性獲得にMLOを利用している可能性があり,新規治療標的としての研究が進められている.本稿では,個々のMLOとがんとの関連性について述べながら,MLOを標的とした未来のがん治療の展望についても記載する.
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