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ファージ由来溶菌酵素を用いた次世代ファージ療法

Next-generation phage therapy using phage-derived antibacterial enzymes
宮岡大知,植松 智
Daichi Miyaoka1)2)/Satoshi Uematsu1)2):大阪公立大学大学院医学研究科ゲノム免疫学1)/東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センターメタゲノム医学分野2)
10.18958/7801-00001-0006140-00

次世代シークエンサーによるメタゲノム解析技術が確立されたことで,ヒトマイクロバイオーム研究は急速な発展を遂げてきた.さまざまな疾患に関連するメタゲノム情報が蓄積されるなかで,常在微生物叢にどのように介入し疾患を制御するかという点に注目が集まっている.本稿では,メタゲノム解析を基盤としたファージ由来溶菌酵素を用いた次世代ファージ療法について概説する.また,この手法を疾患特異的な細菌に応用し,dysbiosisやpathobiontが関与する種々の疾患に対して,新たな治療アプローチの可能性を示したわれわれの知見も紹介する.

メタゲノム解析,常在細菌叢の乱れ(dysbiosis),共生病原菌(pathobiont),バクテリオファージ,エンドライシン(endolysin)

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