スマホで読める実験医学
550円

自己免疫疾患患者の腸内ウイルス研究

Studies of the gut virome in patients with autoimmune diseases
池田一史,友藤嘉彦,岡田随象
Kazushi Ikeda1)2)/Yoshihiko Tomofuji1)3)4)/Yukinori Okada1)3)4):東京大学大学院医学系研究科遺伝情報学1)/協和キリン株式会社研究本部イノベーションセンター2)/大阪大学大学院医学系研究科遺伝統計学3)/理化学研究所生命医科学研究センターシステム遺伝学チーム4)
10.18958/7801-00001-0006136-00

腸内ウイルス叢(virome)は,ファージを中心に構成され,細菌叢と密接にかかわりながら腸内の恒常性に影響を与える.年齢や地域によってその構成や多様性は大きく異なり,成人では個人特異的かつ安定した構成となる.自己免疫疾患ではcrAss-like phageの減少や免疫応答との異常な相互作用が報告され,疾患病態との関連が注目されている.近年の解析技術の進展によりウイルス叢の包括的解析が可能となりつつあり,疾患との因果関係の解明も進んでいる.今後は,細菌叢との統合的な解析により,ウイルス叢を標的とした創薬戦略の確立が期待される.

腸内ウイルス叢(virome),自己免疫疾患,コアファージ,crAss-like phage

この記事は有料記事です

(残り約7,100文字)

  • 【スマホで読める実験医学】自己免疫疾患患者の腸内ウイルス研究
    550円