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血漿と髄液のプロテオミクスが解き明かす臓器老化と認知機能不全

Proteomics of cerebrospinal fluid and plasma links novel insight for organ-aging and cognitive impairment
福原武志
Takeshi Fukuhara:大塚製薬株式会社大阪創薬研究センター神経疾患研究部
10.18958/7805-00001-0006161-00

時代とともに測定技術が向上してさまざまな液性因子が続々と同定されており,疾患のメカニズムや重症度,患者の層別化や治療薬選定,および治療奏功性のバイオマーカーとなることが期待されて久しい.50万人のUK Biobankの大規模な血漿プロテオミクスにより,臓器年齢から推定された年齢ギャップに基づいて疾患発症や死亡リスクが見出され,また髄液プロテオミクスとの連携により加齢や認知機能不全のバイオマーカーが新たに同定された.なかでも脳と免疫系は加齢進行の主な責任器官であり,脳関門の機能破綻が認知機能不全を惹起するというプロテオームエビデンスが明らかとなった.

臓器年齢,年齢ギャップ,UK Biobank,Global Neurodegeneration Proteomics Consortium

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