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統合失調症とシナプス自己抗体

Schizophrenia and synaptic autoantibodies
塩飽裕紀
Hiroki Shiwaku:東京科学大学大学院精神行動医科学分野
10.18958/7805-00001-0006162-00

神経系に対する自己抗体は自己免疫性脳炎の原因になるが,精神病症状を主体に呈するケースが報告されるようになり,統合失調症において脳炎でも報告のない自己抗体が,近年発見されるようになった.本稿では統合失調症における自己抗体病態を概説し,特にNMDA受容体,NCAM1,NRXN1α,GABAA受容体に対する自己抗体を取り上げる.また,神経系自己抗体と血液脳関門やミクログリアとのかかわりについても触れる.これらの自己抗体は統合失調症の異種性のバイオマーカ―になるうえに,自己抗体を除去する治療は新しい治療戦略になる可能性がある.

統合失調症,抗NMDA受容体抗体,抗NCAM1抗体,抗NRXN1α抗体,抗GABAA受容体抗体

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