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中枢神経系の脂質恒常性とその破綻による疾患発症

Lipid homeostasis in the central nervous system and disease development due to its disruption
山本将大,増田隆博
Shota Yamamoto/Takahiro Masuda:九州大学生体防御医学研究所分子神経免疫学分野
10.18958/7805-00001-0006163-00

中枢神経系組織は,神経細胞に加え,グリア細胞や血管系細胞などの多様な細胞種によって構成されている.近年,種々オミクス手法が普及し,脳の生理・病態を理解するうえで強力な研究アプローチとなっている.その一方で,4万種を超える多様な「脂質」については,生理・病態時にどのように変容するのか,またその変化はどのような生物学的意義をもつのかという点がいまだ手付かずの状態である.本稿では,脳内の脂質の“量”と“質”の維持機構について,特にミクログリアの脂質代謝異常と疾患のかかわりという観点から,近年の知見を交えて紹介する.

脂質,リピドミクス,ミクログリア,中枢神経系疾患,疼痛

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