実験医学増刊 Vol.29 No.5

代謝・内分泌ネットワークと医薬応用

摂食・エネルギー調節に関わる生理活性ペプチドの機能と糖尿病やメタボリックシンドロームを標的とした創薬展開

  • 児島将康,斎藤祐見子,中里雅光/編
  • 2011年03月04日発行
  • B5判
  • 212ページ
  • ISBN 978-4-7581-0313-8
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
    PDF版:あり
電子書籍を購入する
実験医学誌 定期購読のご案内
PDFダウンロード

各種生理活性ペプチドを中心に、メタボリックシンドロームの病態理解と創薬応用の最前線に迫ります。ペプチドの研究者はもちろん、摂食・肥満・エネルギー代謝と疾患との関係に注目するすべての方におすすめ。

目次

第Ⅰ部 生理活性ペプチドの発見と生理作用

概論 日本における生理活性ペプチド研究の流れとその展開【児島将康/斎藤祐見子】

  • 日本における生理活性ペプチドの歴史
  • 生理活性ペプチドと摂食・エネルギー代謝調節
  • 想像を超えた生理活性ペプチドの作用
  • 今後の生理活性ペプチド研究

第1章 代謝制御・摂食調節のキープレーヤー

1. 最新のグレリン基礎研究【細田洋司/寒川賢治】
  • グレリンとその受容体
  • グレリンの作用について
  • 血漿グレリン値とその分泌調節
  • グレリンシグナル欠失解析
  • グレリントランスジェニックマウスの表現型
2. アディポサイトカイン研究の進歩【福原淳範/大月道夫/下村伊一郎】
  • アディポネクチン
  • PAI-1
3. レプチン研究の最近の話題【孫 徹/海老原 健/細田公則/中尾一和】
  • レプチンの作用部位
  • レプチンの細胞内シグナル
  • レプチンと認知機能
4. アディポネクチンおよびアディポネクチン受容体の構造と機能【山内敏正/門脇 孝】
  • “アディポカイン”が認知されるに至った歴史
  • アディポネクチン同定の歴史
  • 善玉アディポカインとしてのアディポネクチンの作用の発見
  • アディポネクチン受容体AdipoRの発見とその構造
  • アディポカインネットワークにおけるアディポネクチンの意義

第2章 興味深い生理機能を示す代謝制御ペプチド

1. 睡眠・覚醒と摂食調節をリンクする神経ペプチド:オレキシン【桜井 武】
  • オレキシンとオレキシン受容体
  • オレキシン産生ニューロンの解剖学的特徴
  • オレキシンと睡眠障害ナルコレプシー
  • オレキシンによる覚醒状態の維持とレム睡眠の抑制
  • オレキシン産生ニューロンの入力システム
  • オレキシンニューロンへの神経性入力
  • 血中因子とオレキシンニューロン活動
2. MCHの最新の話題【斎藤祐見子】
  • MCHとその受容体
  • MCHの摂食調節機能
3. 代謝制御と日内リズムをリンクするニューロメジンUとニューロメジンS【森 健二/宮里幹也/児島将康/寒川賢治】
  • NMUとNMS
  • 摂食・エネルギー代謝調節におけるNMUとNMS
  • サーカディアンリズムの調節因子としてのNMUとNMS
  • 肥満とサーカディアンリズム
4. ガラニン様ペプチド(GALP)による摂食・代謝調節と肥満克服の新戦略【影山晴秋/竹ノ谷文子/柴 加奈子/塩田清二】
  • GALP受容体
  • GALPの分布・局在
  • GALPのニューロンネットワーク
  • GALPの摂食調節および体重変化に及ぼす影響
  • GALP遺伝子発現の調節
  • GALP KOマウス
  • GALPの摂食調節機構
  • GALPのエネルギー代謝
  • GALPと点鼻投与
5. ヒトにおけるレジスチンの意義─インスリン抵抗性,SNP,血中濃度【大沼 裕/大澤春彦】
  • レジスチンの構造
  • レジスチンとインスリン抵抗性
  • 2型糖尿病感受性遺伝子レジスチンSNP-420の同定
  • 血中レジスチンとレジスチンSNP

第3章 日本発:新しく発見された代謝調節因子

1. 新規生理活性ペプチドの探索方法の進歩【斎藤祐見子/児島将康】
  • 生理活性ペプチド探索の開始
  • 核酸を基盤とした初期の生理活性ペプチド探索
  • オーファンGPCR受容体を用いた生理活性ペプチド探索
  • バイオインフォマティクスによる新規生理活性ペプチド探索
  • 生理活性ペプチド前駆体からの関連ペプチド探索
  • 遺伝子発現の差異を利用した新規ペプチド探索
  • ペプチド・データベースを利用した新規ペプチド探索
2. 摂食抑制ホルモン“ネスファチン-1”─レプチンとの対比【清水弘行/森 昌朋】
  • ネスファチン/NUCB2と摂食行動
  • ネスファチン-1の同定
  • レプチンとの対比
  • 現在想定されている摂食抑制機構
  • 中枢神経以外の発現とその意義
3. アンジオポエチン様因子と生活習慣病【尾池雄一】
  • Angptl2
  • Angptl3
  • Angptl4
  • AGF/Angptl6
4. セクレトペプチドーム解析で発見された新しい摂食調節ペプチドNERP-2【佐々木一樹/十枝内厚次/中里雅光/南野直人】
  • NERP-2発見の経緯
  • NERP-2の機能解析
5. 新しいアディポサイトカインSfrp5の代謝制御機構【大内乗有】
  • アディポサイトカインの概念
  • 新規アディポサイトカインSfrp5
  • Sfrp5と全身代謝異常

第Ⅱ部 生理活性ペプチドと疾患・臨床応用

概論 生理活性ペプチドと疾患・臨床応用【山口秀樹/中里雅光】

  • 生理活性ペプチド研究の歴史
  • ペプチドの診断への応用
  • ペプチドの治療への応用
  • デスモプレシン製剤の臨床応用の歴史
  • グレリンの発見と展開医療をめざしたシーズ研究

第4章 代謝調節における末梢・中枢の組織連関

1. 生理活性ペプチド・ホルモンとAMPK【戸田知得/箕越靖彦】
  • AMPKの活性調節
  • 末梢組織におけるAMPKの役割
  • 視床下部におけるAMPKの役割
  • AMPKの活性化に関わる生理活性ペプチドとその作用
2. エネルギー代謝の臓器・組織間作用【山田哲也/片桐秀樹】
  • 末梢から脳へのエネルギー代謝情報伝達
  • エネルギー状態の短期変化の伝達
  • エネルギー状態の長期変化の伝達
  • エネルギー代謝の短期変化情報と長期変化情報の統合
3. 中枢神経インスリン作用による肝糖産生制御機構【井上 啓】
  • 中枢神経インスリン作用と個体エネルギー代謝
  • 糖代謝を制御する中枢神経インスリン作用
  • 中枢神経インスリン作用による肝糖産生制御のメカニズム
  • 中枢神経インスリン作用による肝糖産生制御と2型糖尿病
4. 摂食調節に機能する生理活性ペプチド;CCK, NPW&NPBの作用機構および摂食関連ホルモンの末梢での相互作用と中枢への伝達【伊達 紫】
  • CCK
  • NPW & NPB
  • 摂食関連ホルモンの相互作用と中枢への伝達
5. 脳による骨の調節【竹田 秀】
  • レプチン・セロトニンと骨代謝
  • 交感神経系と骨代謝
  • 食欲を調節する神経ペプチドと骨代謝
6. 肥満と炎症性サイトカイン【伊藤綾香/小川佳宏】
  • 内分泌器官としての脂肪細胞
  • 脂肪組織から分泌される炎症性サイトカイン,脂質と全身への影響
  • 脂肪組織を構成する細胞群の変化と炎症性サイトカイン

第5章 生理活性ペプチドの臨床応用

1. 創薬ターゲットとしての生理活性ペプチド【森 正明】
  • ペプチド誘導体
  • ペプチド受容体作動薬
  • ペプチド受容体拮抗薬
  • オーファンGPCRリガンドの創薬ターゲットとしての可能性
2. グレリンのトランスレーショナルリサーチ【松元信弘/中里雅光】
  • グレリンの拒食症への臨床応用
  • グレリンのカヘキシアへの臨床応用
  • グレリンのCOPDへの臨床応用
  • グレリンの消化器疾患における臨床応用
3. レプチンと疾患,および臨床応用【海老原 健/細田公則/中尾一和】
  • レプチンのエネルギー代謝調節作用
  • ヒトにおけるレプチンの意義
  • レプチンの臨床応用
4. アディポネクチンと疾患,臨床応用【中川靖彦/船橋 徹】
  • アディポネクチンの発見の経緯
  • アディポネクチンの抗動脈硬化作用
  • アディポネクチンの臨床応用
5. インクレチンとインクレチンを応用した治療の可能性【原田範雄/稲垣暢也】
  • GIPとGLP-1(分泌と膵島での作用)
  • GIPとGLP-1の膵外作用
  • インクレチンの新たな可能性
6. グルカゴンおよびグルカゴン関連ペプチドの生体内意義と臨床応用【難波光義/美内雅之/宮川潤一郎】
  • グルカゴン─その起源,同定と膵α細胞の発生分化
  • 膵グルカゴンの生理/薬理作用
  • プログルカゴンの発見とグルカゴン関連ペプチドの生理作用
  • 脳腸ペプチドとしてのグルカゴン関連ペプチド
7. ナトリウム利尿ペプチドと肥満・インスリン抵抗性【岸本一郎/徳留 健/槇野久士/寒川賢治】
  • BNPと肥満の逆相関
  • BNPとインスリン抵抗性,アディポネクチン
  • 血中ANP・BNP濃度の低下は肥満による二次的なものか?
  • 血中ANP・BNP濃度の低下は,肥満・インスリン抵抗性の原因か?
8. アドレノメデュリンの内分泌・代謝系へのユニークな作用【北 俊弘/北村和雄】
  • アドレノメデュリンの構造と主要な作用
  • アドレノメデュリンの内分泌系への作用
  • アドレノメデュリンの代謝系への作用

購入方法・送料について

本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.

  • 【本書名】実験医学増刊:代謝・内分泌ネットワークと医薬応用〜摂食・エネルギー調節に関わる生理活性ペプチドの機能と糖尿病やメタボリックシンドロームを標的とした創薬展開
  • 【出版社名】羊土社

お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.

羊土社HPでのご注文について

本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.

分類 項目 費用
国内 消費税 +540円
送料 0円(5,000円以上,国内送料無料)
手数料(代引きのみ) +300円
海外 航空便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +820円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +1050円
第2地帯(ヨーロッパ) +1050円
第3地帯(アフリカ、南米) +1370円
EMS便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +1540円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2180円
第2地帯(ヨーロッパ) +2400円
第3地帯(アフリカ、南米) +2740円

※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.

海外でご活躍中の皆さまへ 書籍のご購入方法,電子書籍,そのほか役立つ情報をご案内します

法人向け 購入のお問い合わせ

法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

こちらの書籍もお勧めいたします

  • 9784758125772
  • 9784758104159
  • 9784758104142
  • 9784758122672
  • 9784758104135
  • 9784758104111
  • 9784758104104

電子書店で購入する

本書が販売されている主な電子書店をご紹介いたします.

  • 羊土社HP外のサイトになります
  • ご利用方法は各電子書店でご確認ください
  • Knowledge Worker
サイドメニュー開く