実験医学増刊 Vol.30 No.2

in vivo実験医学によるヒト疾患解明の最前線

生体イメージングとモデル動物を用いた研究戦略と臨床応用

  • 御子柴克彦/編
  • 2012年01月20日発行
  • B5判
  • 257ページ
  • ISBN 978-4-7581-0320-6
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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病気の時に体内では何が起きるのか?分子の働きを,試験管ではなく個体の中で解析する「in vivo実験医学」の最前線を,代謝から脳神経まで多分野を網羅する充実のボリュームでご紹介いたします!

目次

第1章 新しいステージに入った医科学研究と疾患解明

Ⅰ.再生医療・発生・細胞死

1. ヒト生体由来多能性幹細胞Muse 細胞─再生医学と生物学における意義【出澤真理】
  • ヒト生体由来多能性幹細胞Muse 細胞
  • 腫瘍形成能を示さないMuse 細胞
  • 生体内におけるMuse 細胞の組織修復機能
  • iPS 細胞リソースとしてのMuse 細胞
  • 生物の進化とMuse 細胞
2. 神経を創る─ Direct conversion による神経系細胞の誘導と医薬応用【松井 健/赤松和土/岡野栄之】
  • 直接誘導の歴史
  • 神経細胞の直接誘導
  • 神経幹細胞の直接誘導
3. in vitro での三次元神経組織の自己形成とその原理─形と機能を自作する【永楽元次】
  • in vitro における多能性幹細胞から神経細胞への分化誘導系
  • in vitro における神経組織のパターニング
  • 神経上皮組織の連続構造の維持と基底膜
  • in vitro での“眼杯形成” メカニズム
4. 生殖工学を用いた新たな動物繁殖技術【若山清香/李 羽中/若山照彦】
  • 精子の顕微授精
  • 精子の室温保存方法の開発
  • 極体からの産仔の作出
  • 卵子の加齢抑制
  • 体細胞クローン技術
5. 「心の病」の齧歯類モデルにチャレンジする【大隅典子】
  • 精神疾患の神経発達仮説
  • 自閉症および関連発達障害モデルとしてのPax6 変異ラット
6. 個体発生における細胞死の役割【山口良文/三浦正幸】
  • 死んだ細胞は周りの細胞にどのような作用をするのか
  • 不具合を生じた細胞は本当に発生で出現するのか
  • アポトーシスによる発生ノイズの消去
  • 脊椎動物発生における細胞死の寄与の解明とその問題点
  • 見えてきた多様な細胞死機構

Ⅱ.代謝・ネットワーク研究

7. 臓器線維化の細胞分子機序【松島綱治】
  • 線維化をもたらす線維芽細胞,筋線維芽細胞の起源
  • 組織浸潤性炎症細胞
  • 線維化に関与する炎症介在因子
8. 生体内のROS 管理の破綻とがん形成【関根史織/一條秀憲】
  • ミトコンドリアからのROS とがん
  • Nox ファミリーにより産生される ROS とがん
  • ROS で活性化するストレス応答キナーゼASK ファミリーとがん
9. ガス分子による代謝システム制御機構の系統的探索と医学応用【末松 誠/山本雄広/菱木貴子/加部泰明/梶村眞弓】
  • メタボローム解析を用いて作業仮説を立てる:正常vs 病態チャートから読み取る
  • メタボローム解析を用いたCO の標的分子探索
10. 生体分子イメージングでみる生活習慣病病態の慢性炎症過程【西村 智】
  • 肥満と慢性炎症-生体分子イメージングでみる肥満脂肪組織
  • 血小板機能の生体イメージングを用いた可視化
  • iPS 細胞由来人工血小板の体内イメージング
11. Klotho,メタボリックFGF による代謝の統合制御【鍋島陽一/伊村明浩/前田良太】
  • α -Klotho 変異マウスの発見と原因遺伝子の同定
  • α -Klotho/Na+ , K+ -ATPase 複合体形成とカルシウム制御
  • FGF23 とα -Klotho タンパク質によるビタミンD 合成,リン再吸収の制御
  • カルシウムホメオスタシス制御におけるα -Klotho の位置づけ
  • α-Klotho / FGF23 によるリンホメオスタシスの統御
  • β -Klotho / FGF15 による胆汁酸合成の制御
  • Klotho の分子機能解析

Ⅲ.高次機能研究と神経回路

12. 意思決定と行動発現を支える神経回路基盤─霊長類モデルを中心に【榎本一紀/木村 實】
  • 知覚的意思決定(Perceptual decision)
  • 価値に基づいた意思決定(Value-baseddecision)
13. 霊長類を用いた神経精神疾患の前臨床研究と行動解析【安東 潔】
  • 前臨床研究に利用される行動の種類
  • in vivo 神経精神疾患モデルの条件
14. ゼブラフィッシュを用いた遺伝的神経回路操作による情動行動研究─手綱核による恐怖行動制御【天羽龍之介/揚妻正和/相澤秀紀/岡本 仁】
  • 情動行動のモデル生物としてのゼブラフィッシュ
  • 手綱核神経回路の概要
  • ゼブラフィッシュを用いた手綱核研究
15. 神経科学における霊長類モデルの展望【伊佐 正】
  • 神経科学研究において使用される霊長類
  • 霊長類の脳への遺伝子導入法
16. MRI 法・光トポグラフィ法によるヒト脳機能解析と今後の展開【小泉英明】
  • MRI とNIR-OT の特徴
  • 大脳新皮質の分光分析
  • 複数脳の同時計測:新たな脳科学のパラダイム
  • 誘導システム分析が拓く未来

第2章 in vivo 実験医学を可能にする技術的な進展

1. トランスジェニックマーモセット作出と今後の実用化【佐々木えりか】
  • 実験動物としてのコモンマーモセットの特徴
  • トランスジェニックマーモセットの作出
2. ヒト化マウスの改良と疾患モデルへの応用【伊藤 守/末水洋志】
  • ヒト化マウスとNOG マウス
  • ヒト免疫・造血細胞の分化
  • ヒト化モデルの具体例
3. 脳微小循環の網羅的イメージング【岡田沙織/高原雄史/池谷裕二】
  • 血流イメージングの現状
  • 覚醒下動物におけるin vivo 血管イメージング
  • 相互相関関数法による血流速度の算出
  • 脳微小循環の網羅的解析
4. AAV ベクターによる遺伝子治療【小澤敬也】
  • AAV のウイルス学的特徴
  • AAV ベクターの特徴
  • AAV ベクターの遺伝子治療への応用
5. PET,SPECT による分子イメージング【藤林靖久】
  • 核医学技術
  • 脳診断への展開
  • がん診断への展開
  • 医薬品開発への展開
6. 分子プローブを用いた神経活動の光計測法【大原慎也/飯島敏夫】
  • 神経活動を反映する光シグナル
  • 膜電位感受性色素による光計測法
  • 膜電位感受性プローブによる標的ニューロンからの光計測
7. in vivo 細胞周期可視化─細胞周期を四次元で理解する【阪上- 沢野朝子/宮脇敦史】
  • 細胞周期を可視化するプローブ
  • Fucci を恒常的に発現する生物
  • Scal e 技術で描出する三次元細胞周期
  • 細胞動態と細胞周期
  • 薬剤効果のスクリーニング
8. 医療応用をめざした光によるin vivo 分子イメージング【原田義規/髙松哲郎】
  • 蛍光を利用した腫瘍イメージング
  • ラマン散乱光による心筋梗塞イメージング
  • 非線形光学を用いたイメージング
9. オプトジェネティクス:光による脳機能の観察と操作【武藤弘樹/Thomas Knöpfel】
  • 脳を読み取る
  • 脳を光によってコントロールする

第3章 疾患モデルと分子標的探索による治療薬開発

1. ハンチントン病の治療法開発とモデルマウスを用いた評価【紀 嘉浩/貫名信行】
  • HD とマウスモデル
  • モデルマウスが示すHD 治療戦略
  • 神経変性の選択性と疾患修飾因子
2. βアミロイド,タウ,どちらがアルツハイマー病治療薬の標的としてふさわしいのだろう?【髙島明彦】
  • 家族性アルツハイマー病原因遺伝子とβアミロイド仮説
  • βアミロイドとタウの関係
  • 神経原線維変化と神経変性
  • 神経原線維変化形成機構と神経細胞脱落,神経機能低下
3. LRR シナプスオーガナイザーと神経疾患【有賀 純/松本圭史】
  • 神経系のLRR 膜タンパク質ファミリー
  • LRR 膜タンパク質ファミリーのシナプス形成における役割
  • LRR シナプスオーガナイザーと神経疾患
4. 小胞体ストレス,レドックス制御,カルシウムシグナルと神経細胞死【肥後剛康/濱田耕造/御子柴克彦】
  • 酸化還元とカルシウムシグナリング
  • IP3 受容体の働き
  • レドックス制御にかかわるERp44 とIP3 受容体の相互作用
  • レドックス制御と疾患
  • IP3R1 の機能を調節する分子シャペロンGRP78 の同定
  • ストレスによるIP3R1 の機能破壊が,神経細胞死による脳障害を引き起こす
  • GRP78 と疾患
5. 統合失調症の病因仮説とモデルマウス【黒田啓介/飯塚幸彦/貝淵弘三】
  • 統合失調症の病因仮説とモデルマウスの歴史的経緯
  • 統合失調症脆弱性遺伝因子DISC1
  • Disc1 変異マウスの統合失調症モデルマウスとしての妥当性
6. 自閉症の発症要因と動物モデル【篠田 陽/定方哲史/三島百合子/古市貞一】
  • 自閉症の発症要因
  • 自閉症動物モデル
7. 気分障害の動物モデル【加藤忠史】
  • 動物モデルを用いた精神疾患研究
  • うつ病の動物モデルと評価系
  • 最近のうつ病の動物モデル研究のトピックス
  • 双極性障害の動物モデル
8. 神経変性疾患モデルの運動機能とその解析【足立弘明/祖父江 元】
  • 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)
  • 動物モデルでの治療法開発
  • 臨床応用への展開

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