実験医学増刊 Vol.23 No.17

解明が進む

ウイルス・細菌感染と免疫応答

分子メカニズムから新たな治療戦略まで

  • 笹川千尋,柳 雄介,審良静男/編
  • 2005年10月05日発行
  • B5判
  • 226ページ
  • ISBN 978-4-89706-113-9
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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ウイルス・細菌・免疫・感染症治療の各領域の最先端の研究成果がこの1冊でわかる!麻疹ウイルスを用いた標的癌治療や,抗マラリア薬・O157感染症の新規治療薬の開発など,最新治療法の開発の現状も詳しく紹介.

目次

概論:ここまでわかったウイルス・細菌感染と免疫応答の分子メカニズム〜感染症を克服するために【笹川千尋,柳 雄介,審良静男】

  • ウイルスの感染と疾患発症機構
  • 細菌感染と宿主応答
  • 病原体感染に対する免疫応答メカニズム
  • 臨床研究と新たな治療戦略

第1章 ウイルスの感染と疾患発症機構

1. マウス肝炎ウイルスおよびSARSコロナウイルスの細胞侵入機構:病原性発現への関与【田口文広】

  • コロナウイルススパイク(S)タンパク質の構造と機能
  • コロナウイルス受容体の構造と機能
  • MHVおよびSARS-CoVの細胞侵入経路
  • 細胞侵入の分子機構
  • MHVの受容体CEACAM1非依存性感染

2. HIV感染を制御する細胞性因子【小柳義夫】

  • HIV増殖とそれに必須の細胞性因子
  • 宿主側のHIV抑制因子

3. 植物ウイルスの宿主域決定因子【滝澤真理,渡辺雄一郎】

  • 植物ウイルスの宿主への侵入
  • ウイルスタンパク質と相互作用する宿主側の因子
  • ウイルスの感染が誘導する細胞死
  • RNAを介したウイルス抵抗性

4. アジアを襲う高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルス in 2004【八田正人,河岡義裕】

  • インフルエンザウイルス
  • 2003〜05年に起きた高病原性H5N1鳥インフルエンザウイルスの流行
  • ヒトにおける病態
  • ベトナムで分離されたウイルスの病原性

5.リバースジェネティクスを用いたパラミクソウイルス感染の解析【竹田 誠,柳 雄介】

  • 麻疹ウイルス
  • リバースジェネティクス技術の麻疹ウイルスへの導入
  • 麻疹ウイルスの細胞指向性とウイルス受容体
  • アクセサリータンパク質と麻疹ウイルスの病原性
  • 長い非翻訳領域と麻疹ウイルスの複製
  • パラミクソウイルスをベクターとして利用する

6. ヘルペスウイルスの潜伏感染と慢性疾患【近藤一博】

  • ヘルペスウイルスの潜伏感染の特色
  • ヘルペスウイルスの潜伏感染細胞
  • ヘルペスウイルスの潜伏感染・再活性化の機序
  • ヘルペスウイルスの潜伏感染・再活性化と疾患

7. ポリオウイルスのトロピズムに関与するインターフェロン応答【小池 智】

  • ポリオウイルスの発症病理
  • トロピズムを支配していると考えられてきた因子
  • IFN応答の組織特異性への関与

8. 抗原エスケープ:宿主体内でのウイルス進化【佐々木 顕】

  • 抗原エスケープ
  • 逃げる病原体と追う免疫系の宿主内共進化
  • 配列空間上の病原体エスケープ

第2章 細菌感染と宿主応答

1. 腸管病原性大腸菌の感染機構【阿部章夫,桑江朝臣】

  • タイプⅢ分泌装置の構造と機能
  • エフェクターの機能

2. 細菌感染とユビキチン・プロテアソーム【久堀智子】

  • ユビキチン・プロテアソーム系
  • エルシニアエフェクターYopJ
  • アグロバクテリア病原因子VirF
  • UPEC毒素CNF1
  • サルモネラエフェクターSopE,SptP

3. オートファジーと細菌感染【小川道永,笹川千尋】

  • 哺乳類細胞におけるオートファジー
  • 細菌感染とオートファジー

4. ブルセラ属菌のマクロファージ感染と細胞内輸送にかかわるプリオンタンパク質【度会雅久】

  • B. abortusのマクロファージ感染様式と脂質ラフト
  • 脂質ラフトに存在する分子とB. abortusの相互作用
  • マクロファージにおけるB. abortusの細胞内輸送と増殖

5. 低分子量GTP結合タンパク質を標的にする細菌性病原因子【堀口安彦】

  • Rhoファミリータンパク質
  • 低分子量GTP結合タンパク質に影響を及ぼす細菌性病原因子
  • ボルデテラ壊死毒(DNT)と細胞壊死因子(CNF)
  • 低分子量GTP結合タンパク質機能の修飾と細菌感染

6. 抗菌ペプチドによる腸管の感染防御機構【綾部時芳】

  • 抗菌ペプチド
  • 腸管粘膜免疫
  • 自然免疫担当細胞としてのパネート細胞
  • 今後の展望

第3章 病原体感染に対する免疫応答メカニズム

1. Toll-like receptorによる生体防御【植松 智,審良静男】

  • Toll-like receptorとその役割
  • TLRのシグナル伝達経路

2. 核酸成分を認識するTLRによる感染防御機構および自己免疫疾患との関係【改正恒康】

  • TLRによる微生物認識
  • TLRシグナルによるⅠ型インターフェロン産生
  • PDCによるTLR9シグナルの処理機構
  • 抗ウイルス免疫におけるTLR3の役割
  • TLRによる宿主由来核酸成分の認識
  • TLR9シグナルと自己免疫

3. 細胞内受容体によるウイルス感染の認識機構【小野口和英,藤田尚志】

  • 細胞内dsRNA受容体
  • 細胞内で細菌成分を認識する受容体Nod

4. 樹状細胞とウイルス免疫応答【米山博之】

  • DCは多彩な細胞集団である
  • mDCの動態とウイルスのエスケープ戦略
  • エスケープに対するDCの戦略(Ⅰ):クロス・プレゼンテーション
  • エスケープに対するDCの戦略(Ⅱ):pDCを含む多彩な亜集団
  • おわりに:DC亜集団の相互作用

5. NK細胞受容体によるウイルス感染細胞の認識機構【佐藤毅史,荒瀬 尚】

  • NK細胞受容体
  • ウイルスの免疫逃避機構とNK細胞受容体
  • 病原体によるNK細胞受容体の進化

6. 感染免疫に重要なIFN-γ産生細胞に関する新たな知見〜NK細胞とDCのどちらがIFN-γを産生するか?【永井重徳,小安重夫】

  • NK細胞はCD11clo細胞であり,IFN-γの主要な産生細胞である
  • CpGで活性化されたThy1.2DCから産生されるIFN-γが,自然免疫に重要な役割を果たす
  • NK細胞とDCの両方の性質をもつ細胞(NKDC)が存在し,多量のIFN-γを産生する

7. 細菌感染とT細胞応答【吉開泰信】

  • 自然免疫に近いT細胞応答
  • 獲得免疫にかかわるT細胞

8. 感染防御システムとしての腸管免疫系【竹田 潔】

  • 腸管感染症における病原微生物の侵入経路
  • 腸管免疫系のリンパ組織
  • 腸管免疫系の制御機構の破綻と炎症性腸疾患
  • 自然免疫系と慢性大腸炎
  • 大腸局所のマクロファージの機能
  • マクロファージにおけるIκBファミリー分子の機能

第4章 臨床研究と新たな治療戦略

1. 腫瘍溶解性麻疹ウイルスを用いた標的癌治療【中村貴史】

  • 麻疹ウイルス
  • 癌標的腫瘍溶解性麻疹ウイルス

2. Helicobacter pylori感染と悪性リンパ腫〜胃MALTリンパ腫の発症機構を中心に【福井寿朗,千葉 勉】

  • MALTリンパ腫の概念と分類
  • MALTリンパ腫の成因とH. pylori
  • 胃MALTリンパ腫病変モデルにおける病変発症のメカニズム
  • MALTリンパ腫からDLBCLへの悪性転化

3. CCR5を標的としたHIV-1感染症治療戦略【満屋裕明】

  • HIV-1の細胞への侵入と侵入阻害剤
  • ケモカイン受容体とケモカイン阻害剤
  • CCR5阻害剤の作用機序と抗HIV-1活性の構造学的解析

4. O157感染症の新規治療薬の創製【西川喜代孝】

  • Stxの構造とGb3糖鎖認識機構
  • グロボ三糖を集積させたStx阻害剤

5. 抗マラリア薬の開発:過去〜現在〜未来【綿矢有佑,金 惠淑】

  • キナ皮と合成抗マラリア薬
  • 葉酸代謝拮抗系抗マラリア薬
  • ベトナム戦争後に開発された抗マラリア薬
  • 新規抗マラリア環状過酸化物(N-89およびN-251)

6. 感染症予防のための粘膜ワクチンの開発【幸 義和,清野 宏】

  • 粘膜免疫の主役:分泌型IgA
  • 粘膜ワクチンの開発のための条件
  • 経口ワクチン開発の最短距離:植物ワクチン

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