【速報】画期的な改革:科研費等の合算使用による共用設備の購入(2012.08.28 掲載)

  • [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「速報」では常に変更している科研費の制度に関して,本書の内容から更新された情報を児島先生に随時紹介していただきます.

【速報】画期的な改革:科研費等の合算使用による共用設備の購入(2012.08.28 掲載)

若手研究者にとって科研費で機器を購入するのは大変だ.近年,非常に高額な実験装置が販売され,その機器の購入が研究の成否をわけることもある.次世代(次次世代?)シークエンサーなどはその最たる例だろう.しかし現実問題として,科研費では特別推進研究などの一部の種目を除いて,基盤研究(B), (C)や若手研究では高額な実験装置を購入することなど不可能だった.昨年,若手研究(B)や基盤研究(C)などは基金化されて研究費を年度を超えて使用できるため,これまでよりも高価な機器を購入しやすくなった.それでも研究費の総額は300万円足らずであるため,購入できる機器には限度があった.

それが平成24年度から複数の科研費を合算して共用設備を購入することが可能になったことで,もっと高額の機器をも購入することが可能となった.「共用設備」とは実験装置や研究機材などである.

これは画期的な改革である!

2つ以上の科研費や,科研費と運営交付金,あるいは科研費と寄付金などを合算して,共用設備を購入することができるのだ.2つ以上の科研費とは,同一研究者の科研費だけでなく,同じ研究機関に属する別の研究者の科研費とも合算して購入可能である.しかし購入できるものはあくまでも,科研費の研究目的に沿った必要な設備の購入に限られるのは言うまでもない.

合算使用に関しては日本学術振興会の科研費ホームページ「科研費FAQ」の「4.科研費の使用について」のところに詳しく説明されてある.

このように科研費の繰り越し手続きの簡素化や,科研費の基金化,そしてこの合算使用による共用設備の購入など,ここ数年で急激に科研費は使いやすいように変化している.

科研費のまだ実現されていない大きな改革には,このあとなにがあるだろう.個人的には現在の1年に1回の応募でなく,1年間に2~3回の複数回の応募ができないものだろうかと思う.

参考情報

本書関連項目

  • 1章-6.科研費の現状について(P28)

2015-16対応の改訂最新版!「研究目的」「学振」を大きく加筆!

科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版

科研費獲得の方法とコツ 改訂第4版

児島将康/著

定価 3,800円+税, 2015年8月発行

詳細 購入

プロフィール

小島先生 写真
児島 将康(Masayasu Kojima)
’88年,宮崎医科大学大学院博士課程修了(医学博士).日本学術振興会特別研究員を経て,’93年,国立循環器病センター研究所生化学部室員,’95年より同室長.’01年より久留米大学分子生命科学研究所遺伝情報研究部門教授.研究テーマと抱負:研究テーマは生理活性ペプチドの探索と機能解明.グレリンを中心とした摂食・代謝調節の研究.残り少なくなった未知の生理活性ペプチドを1つでも発見して,グレリンのときのような興奮を味わいたい.
趣味:クラシック音楽.最近のお気に入りはHugo Wolf の歌曲.
座右の銘:師匠の松尾先生から受け継いだ言葉“Hitch your wagon to a Star!”高い望みを抱き,理想に燃えよ!