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トピックス

[2015年ノーベル賞解説記事]
化学と生物学の境界領域

大阪大学大学院基礎工学研究科 岩井成憲

2015年のノーベル化学賞は,「DNA修復の機構研究」に対してTomas Lindahl(フランシスクリック研究所/クレアホール研究所),Paul Modrich(デューク大学),Aziz Sancar(ノースカロライナ大学)の3名に贈られた.

DNAは有機分子であるので,他の有機化合物と同様に化学反応を受ける.DNAは比較的不安定な化合物であり,加水分解を避けることができない.例えばシトシン塩基のアミノ基は加水分解を受けやすく,ウラシルに変換される.また,DNAに紫外線が当たると隣接するシトシンやチミンが架橋されて塩基の二量体が生じ,電離放射線の被曝や好気的代謝で生じる活性酸素は塩基の酸化をひき起こす.いわゆる発がん物質は代謝の過程で反応性を獲得し,

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2015年12月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2015年12月号 Vol.33 No.19
オプトジェネティクス
細胞・組織・個体を光で操作する

田中謙二/企画
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