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高次細胞構造デザインの新手法 ―生きた細胞を自由気ままに積み木のごとく

東京慈恵会医科大学 福田智美,ボストン大学歯学部/セル・エクソソーム・セラピューティック株式会社 妹尾 誠

球上に生息する生物の多くは,複数の細胞が寄り集まることによって誕生したと推測される.生体内で2つの細胞が接近すると,互いにシグナルが伝達され,組織や器官あるいは臓器が構築される.これら細胞の塊は,一個の細胞では成しえない高度な機能を獲得することとなる.これまでの研究から,生理的条件に近い状態で立体的に細胞培養を行うと,生体外においても細胞塊が高度な機能を発揮しうることが示されている.しかし従来法では,細胞塊内部に存在する細胞が短時間のうちに壊死してしまうことや,集合体の構造を自由自在にデザインすることができない,あるいは異なる細胞を共培養することが難しいなどの問題を抱えていた.一方,近年の目覚ましい再生医療の発展に伴い,これらの課題を克服し,かつ汎用性の高い三次元細胞培養技術を確立することが求められてきた.

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DOI:10.18958/7173-00004-0000355-00

2023年1月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2023年1月号 Vol.41 No.1
中分子ペプチド医薬で新たな標的を狙う!!
新章を迎えた創薬モダリティ

門之園哲哉/企画
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