触覚の分子実体であるPiezoを発見した業績により,Ardem Patapoutian博士が2021年のノーベル生理学・医学賞を受賞したことが記憶に新しい読者も多いだろう.Piezo1/2は細胞膜に局在するCa2+透過性イオンチャネルで,せん断応力や細胞膜伸展などの機械刺激を受容し,神経細胞分化や心臓発生,血圧調節など,個体の発生と恒常性維持のさまざまな局面で重要な役割を担うことが知られている.今回,Piezo1/2が細胞の「表面」に加えて,細胞の「中」でも働くことが示唆された(David L, et al:Proc Natl Acad Sci U S A, 120:e2213846120, 2023).
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DOI:10.18958/7281-00004-0000495-00