本誌を手に取られた学兄の多くはおそらく同様の思いを共有していただけることと拝察して書き進める—癌の再発と転移を防ぐ治療法の開発は,人々の悲願であると.これまで国内外の多くの先駆的研究者により推進されてきた癌研究は,癌化の原因を多様な観点から詳らかにしてきた.しかしながら,癌による死が国民の死因の約半分近くを占める現在,さらに癌研究のブレークスルーを期待し,根治につながる発見を切望する声は大変強いものがあるように思う.その声に応える新機軸として注目される癌幹細胞は,その存在が示唆されて早や長日の感があるものの,実のところ数年前までは研究論文が年間1桁台で推移していたが,最近は正常組織に存在する幹細胞研究の進展と相まって指数関数的に報告が増加している.その背景に「癌の根治への手掛かりがつかめる」という期待があることは言うまでもない.ただ,未だに癌幹細胞の全容は解明されておらず,その存在自体が議論にあがることさえある.本特集では,海外の研究者の報告を交えながら,アップデートし続ける癌細胞研究の最先端を紹介したいと思う.
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近年の幹細胞研究の進展に伴い,各腫瘍における存在が次々と明らかになる癌幹細胞.その自己複製能・多分化能を支える分子機構から,それらを標的とした新たな癌治療戦略まで,癌研究のニューパラダイムをご紹介!
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