皆さんが日常行っている診療を思い浮かべていただきたい.胸痛を主訴にACS(acute coronary syndrome:急性冠症候群)を疑っている場合,主訴の性状や病歴からACSの可能性を疑う.来院時の心電図で明らかな変化があれば自分の下した診断にホッとする….では,病歴からはACSが疑わしいが,少なくとも来院時の客観的検査で目立った所見がない場合,その後どのように対処すればよいだろうか? このときに最も重要なキーワードは適切なタイミングに適切なフォローを行うための“時間”を意識すること.では,その時間とは何を意味するのだろうか? (中略) 今回の特集では,胸痛をありきたりな鑑別でなく,主訴,病歴から得た診断イメージを適切なフィルター(客観的検査)によって確定診断に至るように,各稿の筆者の先生方には“時間”を強く意識して執筆いただいた.救急の場でどのように鑑別し,その時点で診断できなかった場合にどうすべきか? 胸痛のみからどの程度の情報が得られるのか? ガイドラインから得られるものは何か? そして,フィルターは“いつ”使うと最も効果的か? さらに,外科医にはどのような場面でコンサルトすべきか…? 各稿も臨床現場での時間の流れに沿った形で最初から読み進められるよう編集した.ぜひ,読者諸氏には最初から読み進めていただきたいと思う.そして,おそらく最後に気づかれると思う.確定診断に最短距離で至るには,誰よりも多くの患者を診た“経験”という自信こそが最良のフィルターになることを….
皆さんが日常行っている診療を思い浮かべていただきたい.胸痛を主訴にACS(acute coronary syndrome:急性冠症候群)を疑っている場合,主訴の性状や病歴からACSの可能性を疑う.来院時の心電図で明らかな変化があれば自分の下した診断にホッとする….では,病歴からはACSが疑わしいが,少なくとも来院時の客観的検査で目立った所見がない場合,その後どのように対処すればよいだろうか? このときに最も重要なキーワードは適切なタイミングに適切なフォローを行うための“時間”を意識すること.では,その時間とは何を意味するのだろうか?
(中略)
今回の特集では,胸痛をありきたりな鑑別でなく,主訴,病歴から得た診断イメージを適切なフィルター(客観的検査)によって確定診断に至るように,各稿の筆者の先生方には“時間”を強く意識して執筆いただいた.救急の場でどのように鑑別し,その時点で診断できなかった場合にどうすべきか? 胸痛のみからどの程度の情報が得られるのか? ガイドラインから得られるものは何か? そして,フィルターは“いつ”使うと最も効果的か? さらに,外科医にはどのような場面でコンサルトすべきか…? 各稿も臨床現場での時間の流れに沿った形で最初から読み進められるよう編集した.ぜひ,読者諸氏には最初から読み進めていただきたいと思う.そして,おそらく最後に気づかれると思う.確定診断に最短距離で至るには,誰よりも多くの患者を診た“経験”という自信こそが最良のフィルターになることを….
胸痛診療に必要な診断の流れや病歴聴取・心電図・画像診断などの極意を,経過観察・介入時期・過去の所見との比較といった「時間の概念」から解説.危険な胸痛を見抜いて早期に対処できる時間の使い方,教えます!
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