眠りについて

質問9 忙しくて睡眠時間があまりとれないのですが,質のよい睡眠をとるコツはありますか?

解 説

世の中がどれだけ進歩しても,1日が24時間に変わりはないので,時間のない人にとっては,できるだけ睡眠の質を上げて睡眠時間を短くしたいと望むのは当然かもしれません.実際,患者さんからも,質のよい睡眠をとれる方法について質問を受けますが,自然な睡眠より質のよい睡眠がとれるようになる薬剤や機器はありません.

質のよい睡眠を希望される患者さんでは睡眠不足をきたしていることが多いようです.低栄養状態にあれば,なによりも,まず十分な摂取カロリーの確保を優先させるように,睡眠不足では,その質よりも十分な睡眠時間の確保を考えることが先決です.忙しくて睡眠時間をとれない日があったなら,翌日は睡眠時間を確保するべきです.また,就寝・起床時刻,特に起床時刻が不規則になると体内時計と睡眠覚醒リズムの同調が崩れてしまい,時差ボケのような状態になってしまいます.

なお,カフェインやアルコールは睡眠に悪影響を及ぼします.特にカフェインは長時間にわたって睡眠を妨害するので,就寝の数時間前から控えることが必要です.また,飲酒すると深く眠れるという人は多く,確かにアルコールには睡眠の前半では入眠を促進し深睡眠も増加させる薬理作用があります.しかしながら,睡眠の後半では中途覚醒が増え,全体として考えると睡眠の質は悪くなってしまいます.つまり,アルコールはその依存性を抜きにしても,その薬物動態がウルトラショートなので,睡眠薬としては不向きなのです.

本連載の著者による単行本が発行いたしました!

内科医のための不眠診療はじめの一歩

内科医のための不眠診療はじめの一歩

小川朝生,谷口充孝/編

定価 3,500円+税, 2013年2月発行

詳細 購入

プロフィール

谷口 充孝(Mitsutaka Taniguchi)
大阪回生病院睡眠医療センター
香坂 雅子(Masako Kohsaka)
石金病院
  • [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Prev質問9Next

TOP

おすすめ書籍

  • レジデントノートVol.13 No.7 2011年8月号「どう対応する? 処方する?第1特集 入院患者の不眠/第2特集 急性期のせん妄」
  • レジデントノート増刊 Vol.14「答えが見つかる!慢性疾患への薬の使い方」
  • Dr.岩田健太郎のスーパー指導術
  • やさしい英語で外来診療
  • よろずお助けQ&A 高齢者の薬よろずお助けQ&A100
サイドメニュー開く

TOP