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免疫療法の新潮流:標的志向性技術と空間的免疫解析の融合

New trends in immunotherapy: integration of targeted technologies and spatial immune analysis
松尾拓海,石原 純
Takumi Matsuo1)/Jun Ishihara1)2):インペリアル・カレッジ・ロンドン工学部生物工学科1)/国立がん研究センター2)
10.18958/7851-00001-0006219-00

免疫療法は,従来の全身投与から,特定の組織や病変部位の微小環境を標的とした精密医療へと進化しつつある.リンパ節標的型免疫療法,組織特異的CAR-T細胞療法など,標的志向性分子の開発が急速に進展している.さらに,空間トランスクリプトーム解析技術の発展により,標的とした組織内での免疫細胞動態や遺伝子発現パターンを空間情報とともに可視化することが可能となった.これらの技術革新により,免疫応答の詳細なメカニズムが解明され,その知見が次世代免疫療法の創薬へと還元されることが期待されている.本稿では,この技術開発と機構解明の相乗効果について概説する.

免疫療法,標的志向性分子,空間トランスクリプトーム,腫瘍微小環境,精密医療

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