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時空間ダイナミクス解析が拓く,発生生物学と学際応用の新世界

Spatiotemporal dynamics analysis opens up a new world in developmental biology and interdisciplinary applications
内田 唯,入江直樹
Yui Uchida1)/Naoki Irie2):理化学研究所生命機能科学研究センター1)/総合研究大学院大学統合進化科学研究センター2)
10.18958/7851-00001-0006216-00

胚発生は刻々と変化する細胞状態が織りなすプロセスであるが,これまでの多くの知見は限られた細胞種や時点を切り取ったスナップショットに限られる傾向にあった.近年,DNAバーコードを用いた細胞系譜解析やscRNA-seqに基づく擬似時間解析,RNA velocityをはじめとする動態推定手法,さらには空間トランスクリプトームの三次元統合などが急速に発展し,より包括的な時空間スケールで発生過程のダイナミクスを捉えることが可能になりつつある.本稿では,これら技術の進展と最新トレンドを概観し,発生ロバストネスや疾患,さらには進化発生学における新たな展望について議論する.

細胞系譜解析,RNA velocity,空間トランスクリプトーム,頑健性,進化発生学

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