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生きた組織の透明化とライブイメージングへの応用

Optical clearing media for live tissue imaging ex vivo and in vivo
稲垣成矩,今井 猛
Shigenori Inagaki/Takeshi Imai:九州大学大学院医学研究院
10.18958/7851-00001-0006222-00

多細胞生物の生命動態を理解するには,生きた組織をまるごと大規模に計測する技術が必要である.近年,多光子顕微鏡やライトシート顕微鏡を使った大規模蛍光イメージング技術が発展してきたが,厚みのある生組織のイメージングは容易ではない.固定組織であれば透明化により大規模な蛍光イメージングが可能であるが,固定してしまうと,生命現象をスナップショットでしか捉えることができない.こうした制約を克服するため,われわれは,生きた細胞や組織を非侵襲的に透明化できる試薬SeeDB-Liveを開発した.本稿では,SeeDB-Liveを用いた生きた組織の透明化の原理と,これを活用したライブイメージングの展望について述べる.

組織透明化,蛍光イメージング,ウシ血清アルブミン,浸透圧,屈折率

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