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1細胞トランスクリプトミクスは神経回路の理解に何をもたらすか?

How single-cell transcriptomics advances the dissection of neural circuits
宮道和成
Kazunari Miyamichi:理化学研究所生命機能科学研究センター
10.18958/7851-00001-0006217-00

神経組織は多様に分化した神経細胞が複雑につながりあったネットワークとして機能している.神経細胞は古典的に形態や軸索の投射パターンによって分類されてきたが,近年の1細胞トランスクリプトミクスの発展により,想定をはるかに上回る種類のtranscriptome cell type(TCタイプ)が見出された.本稿では,TCタイプと軸索投射様式との対応を明らかにする順行性・逆行性標識の手法群を整頓し概説する.さらに,視床下部オキシトシン神経や交感神経回路を例に,特定のTCタイプが専用配線構造を形成する実態を概説する.

トランスクリプトーム,軸索マッピング,トランスシナプス標識,専用配線

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