スマホで読める実験医学
550円

空間オミクス解析によるがん研究の現状と展望

Spatial omics in cancer research:Current status and future perspectives
坪坂 歩,石川俊平
Ayumu Tsubosaka1)/Shumpei Ishikawa1)2):東京大学大学院医学系研究科衛生学分野1)/国立がん研究センター先端医療開発センター臨床腫瘍病理分野2)
10.18958/7851-00001-0006218-00

空間トランスクリプトーム解析は,シークエンスベース・イメージベース両技術の進歩により,解像度や取得遺伝子数が向上し,真にシングルセルレベル・全遺伝子レベルでの解析が可能になりつつある.これにより,従来困難であった腫瘍微小環境の構造的・機能的多様性が明確化され,がん生物学の理解が飛躍的に進展した.今後は発現情報のみならず,タンパク質発現なども統合した空間マルチオミクスの発展により,腫瘍の分子的特徴が詳細に明らかにされることが期待される.

腫瘍微小環境(TME),腫瘍不均一性,空間トランスクリプトーム,腫瘍随伴線維芽細胞(CAF)

この記事は有料記事です

(残り約7,300文字)

  • 【スマホで読める実験医学】空間オミクス解析によるがん研究の現状と展望
    550円

関連書籍

実験医学 2026年1月号

特集1:全身全細胞解析に挑む シングルセル×空間オミクス×透明化で見る生命像/特集2:【座談会】私たちの研究はどこへ向かうのか?

  • 長尾昌紀,上田泰己/編,鎌田真由美,佐々木真理子,瀬川勝盛,高橋康一,村松里衣子,山本慎也/他
  • 定価:2,750円(本体2,500円+税)