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実験医学 2026年1月号

1細胞解析が紐解く老化細胞除去技術：GLS1阻害剤は真正の生体内老化細胞除去化合物である

Senolytic technologies evidenced by single-cell analysis: evidence for a GLS1 inhibitor as a bona fide senolytic compound
岡村勇輝，中西　真
Yuki T. Okamura/Makoto Nakanishi：東京大学医科学研究所癌防御シグナル分野
10.18958/7851-00001-0006220-00

老化は人類誰もが経験する普遍的な生命現象で，高齢者のQOLに深刻な影響を与える．また老化はヒトのほとんどの疾患の最も大きな危険因子の1つであるため，老化を理解しこれに介入することは多くの疾患に対する重要な予防医学の確立につながると予想できる．しかしながら，有史以来の長い研究期間をもってしても現在の生命科学では，老化を制御するしくみについてはほとんどわかっていない．近年になり，加齢に伴いさまざまな臓器や組織に生じる慢性炎症が老化の基本病態の1つであり，多様な老化関連疾患の発症を促進することが提唱されはじめた．本稿では，老化細胞除去技術と1細胞トランスクリプトーム解析を組み合わせることで加齢に伴う慢性炎症を制御する分子基盤を解明する試みを紹介したい．

1細胞トランスクリプトーム，老化細胞，慢性炎症，サイトカインネットワーク
実験医学 2026年1月号

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