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腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が拓くがん免疫の未来腫瘍微小環境と免疫抑制機構を手掛かりに

Tumor-infiltrating lymphocytes (TILs) shaping the future of cancer immunity –Insights from the tumor microenvironment and immune suppression mechanisms
10.18958/7863-00001-0006244-00
村田憲治,箕輪智幸,廣橋良彦
Kenji Murata1)2)/Tomoyuki Minowa3)/Yoshihiko Hirohashi2):札幌医科大学医学部附属免疫学研究所分子医学部門1)/札幌医科大学医学部病理学講座病理学第一分野2)/札幌医科大学医学部皮膚科学講座3)

腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は,腫瘍特異的T細胞受容体を介して多様な腫瘍抗原を認識し,個々の腫瘍に適応した抗腫瘍応答を示す.TIL療法は,腫瘍組織から分離したTILを体外で活性化・増幅し,再び患者に投与する自家細胞療法であり,固形がんに応用可能な免疫戦略として注目されている.しかし,適応疾患は限られ,腫瘍微小環境(TME)における免疫抑制機構が治療効果を制限する一因と考えられている.本稿では,TIL療法の現状と臨床課題を概説し,近年進展しているシングルセル解析を通じて明らかになりつつあるTMEにおける免疫抑制機構の理解が,今後の免疫療法の最適化や治療効果向上につながる可能性について論じる.

腫瘍浸潤リンパ球,腫瘍微小環境,免疫抑制機構,シングルセル解析,末端型メラノーマ

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