実験医学:DEAD or ALIVE 小胞体ストレスが細胞の運命を決める
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実験医学 2014年9月号 Vol.32 No.14

DEAD or ALIVE 小胞体ストレスが細胞の運命を決める

  • 上原 孝/企画
  • 定価 2,000円+税
  • 2014年08月発行
  • B5判
  • 137ページ
  • ISBN 978-4-7581-0131-8
  • 販売状況: 注文可能
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もはや「ストレス→細胞死・疾患」ではない!タンパク質以外の小胞体ストレスの新たなトリガーや,マイルドなストレスの生理的な機能など,新たな知見を特集.

《企画者のことば》

小胞体はタンパク質合成・成熟の場であるが,何らかのストレスが負荷されて機能や恒常性が失われると変性した折りたたみ不全なタンパク質が蓄積する.これらの状況を小胞体膜に存在するセンサータンパク質がいち早く察知し,小胞体を起源とした核へ至るシグナル経路(小胞体ストレス応答)が活性化される.現在,新たなセンサー分子やその制御機構が次々に発見され,より詳細な小胞体ストレス応答メカニズムが提示されつつある.本特集では小胞体ストレスの生理的役割や病態形成機構ばかりでなく,最近見出されはじめたセンサーやその活性化制御に関しても焦点をあわせ,これからの研究の方向性を示すとともに将来の病態に対する応用/適用を展望する.

目次

特集

DEAD or ALIVE 小胞体ストレスが細胞の運命を決める
企画/上原 孝
概論─ 小胞体ストレスによる生と死【上原 孝】
小胞体はタンパク質合成・成熟の場であるが,何らかのストレスが負荷されて機能や恒常性が失われると変性した折りたたみ不全なタンパク質が蓄積する.これらの状況を小胞体膜に存在するセンサータンパク質がいち早く察知し,小胞体を起源とした核へ至るシグナル経路(小胞体ストレス応答)が活性化される.現在,新たなセンサー分子やその制御機構が次々に発見され,より詳細な小胞体ストレス応答メカニズムが提示されつつある.本特集では小胞体ストレスの生理的役割や病態形成機構ばかりでなく,最近見出されはじめたセンサーやその活性化制御に関しても焦点をあわせ,これからの研究の方向性を示すとともに将来の病態に対する応用/適用を展望する.
レドックス制御による細胞内タンパク質の品質管理【潮田 亮/永田和宏】
小胞体には,タンパク質の機能獲得・維持のためのタンパク質品質管理機構が備わっている.小胞体内腔のレドックス環境はサイトゾルと比較して酸化的であり,このレドックス環境はタンパク質のジスルフィド結合形成に有利な環境であるといえる.また小胞体には多くの酸化還元酵素が存在し,ジスルフィド結合の形成または異性化を助けている.小胞体内腔にはPDIをはじめ,およそ20種類の酸化還元酵素が存在しており,それぞれの酸化還元酵素はネットワークを形成している.このような酸化的な小胞体で還元酵素ERdj5が同定され,その還元活性がタンパク質の分解機構にかかわることがわかった.小胞体内腔の酸化と還元がタンパク質の生と死に深く関与しており,レドックス制御は小胞体恒常性を維持する上で重要な環境要因であるといえる.その破綻が深刻な小胞体ストレスをひき起こし,細胞のホメオスタシスに影響を与えることが知られている.
膜脂質飽和化による小胞体ストレス応答の活性化【河野 望/新井洋由】
生体膜は1,000種類以上の脂質で構成されている.適切な膜脂質組成は生体膜機能に重要であり,膜脂質の恒常性の破綻はさまざまな病態に関連することがわかってきている.近年,異常な膜脂質組成により小胞体ストレス応答が活性化することが明らかとなり,疾患との関連が注目されている.また膜脂質異常によるUPRの活性化は,異常タンパク質によるものと質的に異なることが示唆されている.本稿では,膜脂質の異常,特に膜リン脂質飽和脂肪酸鎖の増加(膜脂質の飽和化)によるUPRの活性化について紹介する.
小胞体シャペロンの量的制御の重要性【森 和俊】
小胞体ストレスを感知しシグナル伝達を行う小胞体ストレスセンサーとして,出芽酵母では転写誘導を行うIRE1のみが存在するが,多細胞生物になると翻訳抑制を行うPERKが機能を獲得し,さらに脊椎動物になると転写誘導を行うATF6が機能を獲得し,生物の進化とともに小胞体ストレスへの対応がより多重でより巧妙になっている.転写誘導の主要な標的遺伝子は小胞体シャペロンであるが,この転写誘導を無脊椎動物ではIRE1が担っているのに対し,脊椎動物ではATF6が行っている.ATF6の解析から小胞体シャペロンの発現量をニーズに合わせて増加させることの重要性が鮮明になった.
小胞体ストレスと炎症性腸疾患【都留秋雄/河野憲二】
炎症性腸疾患は,これまで免疫学的に研究されることが多かったが,最近小胞体ストレス応答に関与する因子がその発症を抑えるために働いていることがわかってきた.これらの因子は単にストレス応答にかかわっているだけではなく,腸管の免疫学的,物理的保護にも貢献していることがわかってきた.本稿では,IRE1を含めこれらの因子がどのように関与しているのか,最近の知見とともに解説したい.
代謝,がん,免疫におけるPERK 経路の役割【親泊政一】
小胞体ストレス応答シグナルは,小胞体でのタンパク質の折りたたみ不全に対応する適応機構として発見され,その分子機構が明らかになってきた.小胞体はタンパク質合成以外にも多彩な役割を担っているように,小胞体ストレス応答シグナルも細胞機能調節において多彩な役割を果たすことがわかりつつある.本稿では,小胞体ストレス応答経路の1つであるPERK経路の活性化が,どのように細胞機能を制御するか,またそれが疾患発症とどのように関連しているのか,さらにPERK経路を標的とした創薬の可能性について,最近の知見を紹介したい.
小胞体ストレス応答性膜型転写因子 OASIS ファミリ【今泉和則】
小胞体ストレスを感知するセンサータンパク質は,小胞体内に蓄積した不良タンパク質を認識しシグナルを細胞質や核に伝達することで,結果として不良タンパク質を排除し小胞体内の恒常性を維持している.小胞体ストレスセンサーの1つであるATF6と構造的に類似した小胞体膜貫通型転写因子群(OASISファミリー)が5つ見つかった.これらは不良タンパク質の排除には関係せず,細胞の分化・増殖・機能調節など生体内のさまざまな生理現象にかかわることがわかってきた.本稿では最新の知見を中心にOASISファミリーの構造と活性化機構ならびに生体内における働きについて紹介する.

Update Review

RNA-RNA 相互作用の新概念【緒方 洵/保科貴広/山本春菜/幸谷 愛】

トピックス

カレントトピックス
あらゆる細胞種・組織を網羅した活性化エンハンサー百科事典【鈴木貴紘/カルニンチ・ピエロ】
クローディンの結晶構造より得られたタイトジャンクションの構造学的知見【鈴木博視】
神経細胞の多様化に重要な発生初期のエピジェネティック制御【豊田峻輔/八木 健】
アスピリンによる生理活性脂質12-HHTの産生阻害は皮膚創傷治癒の遅延をひき起こす【佐伯和子/劉 珉/横溝岳彦】
新たな細胞周期GAlert【妹尾 誠】
若返りは可能か?【杉本昌隆】

連載

【新連載】DR 既存薬が新薬に生まれ変わる温故知新のサイエンス!
第1回 なぜ今DRなのか ─創薬の新しい流れ【水島 徹】
クローズアップ実験法
さまざまなモデル生物からミトコンドリア画分を分離する簡便な方法【田中 敦/岡本徳子/風間智彦】
NGSデータ解析 集中講義
RNA-seqは宝の山【遠藤高帆】
Dr.キタノのシステムバイオロジー塾
第6講 モデル構築におけるロバストネスとノイズ【北野宏明】
補講 多階層生理機能モデル:薬物間相互作用①【浅井義之/山下富義】
統計の落とし穴と蜘蛛の糸
パラメトリック統計学への登り道②─自由度とは何か【三中信宏】
ラボレポート ─留学編─
家族のような研究仲間と切磋琢磨の日々─Council for Scientific and Industrial Research【柴山洋太郎】
Opinion ─研究の現場から
研究者の飲みニケーション【大西伸幸】

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