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接触性皮膚炎の病態はわさびとからしの受容体で説明できる

大阪大学免疫学フロンティア研究センター 丸山健太

レルギー性接触性皮膚炎(allergic contact dermatitis:ACD)とは,外来抗原(ハプテン)が皮膚に接触することでリンパ球の過剰な反応が生じた結果,かゆみを伴った湿疹を生じる病態のことをいう.一般医家らにとって湿疹はたいへん身近なものであるが,いざこの病態をきちんと言葉で説明せよといわれると答えに窮してしまうのは筆者だけではないだろう.皮膚科の教科書を紐解いてみると,湿疹とはかゆみを伴った浮腫性の発赤,落屑(皮膚の表面がぼろぼろ剥げ落ちること),漿液性丘疹(1 cm以下の皮膚限局性隆起性病変に小水疱をともなったもの)などを呈する病態のこと,と書いてある.ローマ時代の人々は,体の一部に発赤,腫脹,熱感,疼痛の4徴候があらわれたときこれを炎症とよんだ.この定義は現代にいたるまで手直しされることなく使われ続けているわけだが,発赤,腫脹,疼痛などという単語を眺めていると湿疹と炎症は同じようなものにみえてくる.こうした背景が災いしてか,これまでACDによって惹起されるかゆみを伴った湿疹の病態発生メカニズムは漠然と炎症によるものと解釈されることが多く,詳しく研究されることはなかった.

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2018年6月号掲載

本記事の掲載号

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