News & Hot Paper Digest
トピックス

乳幼児期の腸内細菌叢が,免疫疾患である1型糖尿病の発症に関与する

徳島大学先端酵素学研究所糖尿病臨床・研究開発センター専門研究員/たまき青空病院糖尿病・内分泌内科 田蒔基行

存知のとおり,腸管内には多種多様な細菌が生息し,腸内細菌叢を形成している.腸内細菌叢は食物の分解補助や,酢酸・プロピオン酸・酪酸といった短鎖脂肪酸(SCFA,short chain fatty acid)の生成を行うことが知られている.一説によるとヒトが利用するエネルギーのうち,5〜10%はSCFAとその大きな部分を占める.このように腸内細菌叢は代謝において重要な役割を果たすため,肥満や代謝疾患である2型糖尿病と腸内細菌叢の研究は積極的に行われてきている.一方,1型糖尿病は免疫の異常によってインスリンを産生する膵β細胞が破壊されることにより,インスリンが枯渇する自己免疫疾患である.近年では意外なことに,免疫疾患である1型糖尿病の発症と乳児期からの腸内細菌叢の変化に関係があることが多数報告されている.今回,多施設より903名の3〜46カ月の乳幼児の10,000以上の糞便サンプルを用いて,経時的な腸内細菌叢の変化とその後の疾患発症との関係を評価したThe Environmental Determinants of Diabetes(TEDDY)studyが報告されたので,紹介する(Stewart CJ, et al:Nature, 562:583-588, 2018,Vatanen T, et al:Nature, 562:589-594, 2018).

.....

本コンテンツの続きをご覧いただくためには「羊土社会員」のご登録が必要です.

2019年2月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2019年2月号 Vol.37 No.3
時間生物学からサーカディアン・メディシンへ
24-hour societyに挑む概日リズム研究のステージチェンジ

八木田和弘/企画

新刊・近刊  一覧

新時代が始まったアレルギー疾患研究
もっとよくわかる!炎症と疾患
臓器連環による生体恒常性の破綻と疾患
決定版 オルガノイド実験スタンダード
Rをはじめよう生命科学のためのRStudio入門
心不全のサイエンス
ゲノム研究用・診療用病理組織検体取扱い規程
カエル教える 生物統計コンサルテーション
現代生命科学 第2版
腸内細菌叢 健康と疾患を制御するエコシステム
研究者・留学生のためのアメリカビザ取得完全マニュアル
イメージングの選び方・使い方100+
はじめてでもできてしまう科学英語プレゼン
教科書を書き換えろ!染色体の新常識
動き始めた がんゲノム医療
あなたのタンパク質精製、大丈夫ですか?
脳神経回路と高次脳機能
細胞・組織染色の達人
脂質クオリティ
実験医学 電子バックナンバー発売中
羊土社の電子書籍
プライマリケアと救急を中心とした総合誌 レジデントノート
Gノート