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熱ショックシャペロンによるMAPキナーゼ経路の二面的制御

広島大学大学院統合生命科学研究科・健康長寿研究拠点 登田 隆,湯川格史

年,細胞がストレスに晒されると,液-液相分離により細胞質内に巨大なタンパク質- RNA顆粒(ストレス顆粒,stress granules:SGs)が形成されることが明らかになり,その形成経路,機能に注目が集まっている.最近,分裂酵母を用いた解析から,少なくとも熱ストレスに関してSGs形成機構が明らかになった(Cabrera M, et al:Cell Rep, 30:2430 -2443.e4, 2020).それによると,まず37℃というマイルドな条件下で,熱ショックタンパク質でシャペロン分子であるHsp40/Mas5-Hsp70/Ssa2を核とするタンパク質凝集体核(protein aggregate centers:PACs)が形成され,それが高温ストレス下(>42℃)におけるSGs形成の種(シード)になることが示された.プロテオミクス解析から100種以上のタンパク質がPACs内に取り込まれ,局在することも判明した.

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2021年3月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2021年3月号 Vol.39 No.4
免疫系の暴走 サイトカインストーム
多様な疾患で生じる全身性の炎症反応 その共通機構から病態を理解する

村上正晃/企画
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