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体内に生えるカビ

東京大学大学院 農学生命科学研究科 村田幸久

内細菌叢(microbiota)という言葉を,ちまたでもよく耳にする.食生活を含むさまざまな生活環境の変化が腸内細菌叢の多様性や量,相互作用を変化させて,これがアレルギーや肥満,自閉症といった現代病の発症につながることを示唆する報告が増えつつある.腸内細菌とは,文字通り乳酸菌や大腸菌に代表される「細菌」をさすが,ウイルスやアメーバなどの原生生物やカビ,つまり真菌などの微生物もわれわれの健康に影響を及ぼす.このなかで,「カビ(真菌)」は,その抗原が抗体産生を促すため,喘息などのアレルギー疾患を起こす原因になりうることはよく知られている.また,カビは動物の体内に感染して成長(分枝)するとともに,その膜の構成成分β-グルカンが,宿主免疫細胞のレクチン受容体を刺激して炎症性サイトカインの産生を促す.このため,カビに対するアレルギー疾患は重篤になりやすい.

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2021年6月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2021年6月号 Vol.39 No.9
精神疾患の病因は脳だけじゃなかった
全身性の代謝・炎症から腸内細菌、プロテオスタシスの影響まで

友田利文/企画
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