真核生物のゲノムにはゲノム上を転移するDNA配列であるトランスポゾンが数多く存在しており,その断片を含めるとヒトではゲノムの約半分を占める.トランスポゾンの新規の転移は遺伝子構造を破壊しうるため,トランスポゾンの働きは宿主によって抑制されている.しかし,抑制されているとは言っても,トランスポゾン側も負けてばかりではいない.本稿で紹介するのは,宿主の抑制を逃れるために巧みに進化しているトランスポゾンの一例である.
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DOI:10.18958/6991-00004-0000079-00