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微小管の新しい修復メカニズム

京都大学大学院理学研究科/理化学研究所生命機能科学研究センター 宮﨑牧人

小管はチューブリンとよばれるタンパク質が重合した中空の円筒状線維で,キネシンやダイニンなどによる物質輸送や,紡錘体を形成して染色体分配の足場となるなど,真核細胞においてさまざまな細胞機能を司る.重合端ではダイナミックインスタビリティとよばれる,素早い重合による一過的な伸長と,素早い脱重合による縮退がくり返し生じている.一方で,微小管の中央部は主に13本のプロトフィラメントで構成される規則的なラティス構造をとるため,端部のみが動的であり,中央部は安定で静的な構造と考えられてきた.しかし,この概念は2015年の報告で覆された(Schaedel L, et al:Nat Mater, 14:1156-1163, 2015).

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DOI:10.18958/7309-00004-0000549-00

2023年8月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2023年8月号 Vol.41 No.13
がん治療標的の新星 スプライシング異常
non-coding領域、スプライシング因子の変異から挑むがんの病態解明と創薬

吉見昭秀/企画
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