メッセンジャーRNA(mRNA)を用いた遺伝性疾患に対する生体内ゲノム編集治療が注目されている.例えば,トランスサイレチンアミロイドーシスに対して,Cas9発現mRNAとガイドRNA(gRNA)の送達によって原因遺伝子を破壊する治療は,臨床第Ⅰ相試験で優れた成果が得られ(Gillmore JD, et al:NEngl J Med, 385:493-502, 2021),現在第Ⅲ相試験に進んでいる.この治療では肝臓が標的臓器であり,4種類の脂質からなり肝指向性をもつ脂質性ナノ粒子(lipid nanoparticle:LNP)がmRNA送達に用いられた.一方で,肝臓以外の臓器に対するmRNA送達は困難であった.
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DOI:10.18958/7569-00004-0001749-00