令和6(2024)年度の「研究活動スタート支援」の公募開始と主な変更点(2024.03.05掲載)

執筆:久留米大学 分子生命科学研究所児島 将康

 令和6年(2024)年3月1日から,「研究活動スタート支援」の公募がはじまった.公募期間は令和6(2024)年3月1日(金)~5月9日(木)午後4時30分(厳守)である.

 「研究活動スタート支援」は「研究機関に採用されたばかりの研究者や育児休業等の取得又は未就学児の養育から復帰する研究者等が一人で行う研究」というものであり,応募できる者は限られている.しかし「研究活動スタート支援」の公募で変更点などがあれば,それは次年度の基盤研究や若手研究でも同じように変更されるので,次年度にこれらの種目に応募する者には参考になる.

 今年度の「研究活動スタート支援」の公募の変更点は5つある.順に簡単に解説しよう.

(1)男女共同参画推進に向けた応募要件の緩和について

 「若手・子育て世代の研究者がより積極的に研究に復帰・参画できる環境を整備するため,「研究活動スタート支援」及び「若手研究」の応募要件においては,産前産後の休暇,育児休業期間に加え,新たに「未就学児の養育期間」を配慮期間とします」とある.これは,令和6(2024)年度公募の「研究活動スタート支援」(つまり今回の公募),および令和7(2025)年度公募の「若手研究」(2024年7月から公募開始)から実施される.

(2)研究活動の国際性の確保について→2023.07.19の既報を参照

 これは昨年度の基盤研究や若手研究の公募のときに変更されたものである.

(3)研究活動スタート支援及び奨励研究の審査方式の変更について

令和6(2024)年度から,研究活動スタート支援及び奨励研究の審査方式が「2段階書面審査から一度の書面審査で採否を決定する審査方式」に変更される.これによって「早期の審査結果の通知が可能となり,研究活動スタート支援については,採択されなかった場合であっても,審査結果通知後,基盤研究等への応募のため必要な準備期間を確保することが可能」となるということだ.

(4)研究活動スタート支援の応募書類提出後のスケジュールの変更について

 (3)の変更によって,「研究活動スタート支援」のスケジュールが変更になる.5月~7月が審査期間で,7月下旬には審査結果が通知される.

(5)研究データマネジメントについて

 「令和6(2024)年度から,原則全ての研究種目において研究データマネジメントプラン(DMP)の作成」が求められる.「DMPの作成例等の詳細は交付内定時に示しますので,当該内容に沿って研究課題における研究成果や研究データの保存・管理等を行ってください」ということだ.

 申請書の様式については,昨年度のものと変更はない.申請書審査の媒体については,とくに記載がないので,昨年度と同じく冊子体での審査(紙媒体でカラー印刷なし)と思われる.

参考情報

本書関連項目

  • 1章-2.科研費の種類―研究活動スタート支援(P30)

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児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

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