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Qニューロン誘導性低体温・低代謝状態(QIH)の発見とその後の展開

Discovery of QIH and its subsequent advances
10.18958/7971-00001-0006418-00
櫻井理紗,由本竜資,櫻井 武
Lisa Sakurai1)/Ryusuke Yoshimoto2)/Takeshi Sakurai3)4):筑波大学大学院人間総合科学学術院医学研究科1)/筑波大学ヒューマニクス学位プログラム2)/筑波大学医学医療系3)/筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構(WPI-IIIS)4)

内温動物である哺乳類は,通常は恒温性を維持するために多大なエネルギーを消費するが,冬眠動物は体温と代謝を能動的に低下させることで過酷な環境を生き延びる.本稿では,非冬眠動物であるマウスにおいて冬眠様低体温・低代謝状態を誘導するQ neuron-induced hypothermic/hypometabolic state(QIH)をとり上げ,その発見と意義について概説する.QIHは単なる低体温ではなく,体温セットポイント低下を伴う“制御された低代謝状態”であり,いまだ謎多き冬眠,休眠のメカニズム解明への扉となる可能性を秘めている.さらに医療応用の可能性を提示するため,例としてQIHの外傷性脳損傷モデルにおける神経保護効果を紹介し冬眠様状態の治療効果について議論する.

Qニューロン,冬眠,外傷性脳損傷(TBI)

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