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Tri-complex阻害薬

Tri-complex RAS inhibitors
10.18958/8015-00036-0006643-00
早川 政,衣斐寛倫
Sho Hayakawa1)2)/Hiromichi Ebi1)〜3):愛知県がんセンター研究所がん標的治療トランスレーショナルリサーチ分野1)/名古屋大学大学院医学系研究科先端がん標的治療学講座2)/愛知県がんセンター病院ゲノム医療センター3)

Tri-complex阻害薬は,天然化合物にみられる化合物依存的なタンパク質間相互作用の誘導機構を応用した新しい創薬モダリティである.TCIは,cyclophilin AおよびRASと三者複合体を形成し,RAFなど下流エフェクタータンパク質との結合を阻害することで,RASシグナルを抑制する.Pan-RAS阻害薬であるダラキソンラシブは,共有結合型薬剤の創薬が困難なRAS変異に対しても,三者複合体形成による阻害が可能である.野生型RASも抑制しうることから毒性が懸念されたが,腫瘍細胞では正常細胞と比べてGTP結合型RASが相対的に多いため,正常細胞への影響を一定程度抑えつつ,腫瘍細胞のRASシグナルを抑制できると考えられる.そのため,RAS抑制に伴う消化器毒性・皮膚毒性も比較的管理可能である.現在,Pan-RAS阻害薬に加えて変異特異的TCIの開発も進んでおり,TCIはRAS創薬の可能性を大きく広げる革新的な創薬モダリティとして,今後の臨床開発の進展が期待される.

Tri-complex阻害薬,cyclophilin A,molecular glue,三者複合体

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