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【スマホで読める実験医学】RAS阻害薬の耐性機序
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RAS阻害薬に対する耐性機構は,主に①標的遺伝子の二次性変異,②シグナル伝達におけるバイパス経路の活性化,③細胞の組織学的変化を含む性質の変化,の3つに大別される.①二次性変異に対しては,耐性克服が可能な阻害薬の開発が進められている.一方で,②バイパス経路は多様かつ冗長性を有するため,それぞれの機序に対応した阻害薬の併用療法を体系的に確立することは依然として困難である.近年,特に注目されているのが,③細胞の組織学的変化を含む性質の変化に基づく耐性機構である.阻害薬投与後,腫瘍細胞は転写プログラムや代謝経路の再構築(リプログラミング)を介して表現型を可塑的に変化させ,薬剤耐性を獲得する.このような細胞状態の再編成は,drug-tolerant persister(DTP)細胞の形成にも関与すると考えられている.さらに,RAS変異腫瘍においては,腫瘍細胞のみならず,阻害薬投与に応答して腫瘍微小環境も再構築されることが明らかとなりつつあり,耐性獲得への寄与が示唆されている.近年の臨床応用の進展に伴い,臨床検体を用いた解析も進展しており,これら多層的な耐性機構を統合的に理解することが,今後のRAS阻害薬の改良や新規併用療法戦略の構築に重要である.
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